蓄電池には色々なサイズがある!スリムでコンパクト、デザイン性に注目してみた!

東日本大震災以降、長期間の停電により家庭用蓄電池の普及が一般家庭に広がってきているように思えます。導入しようと思っても、実際に製品を見たことがないので設置に必要なスペースがどれほどなのか想像がしづらいですよね。家庭用蓄電池は停電時の非常用電源だけでなく、電力の自家消費を可能にします。導入して賢く節約・活用することで電気代削減と環境問題の貢献に繋がります。まさに一石二鳥ですので、検討されている方はぜひ導入をオススメします。
家庭用蓄電池を設置するにはどれくらいのスペースが必要で、サイズはどれくらいなのか。狭い場所では設置できないのかなど、蓄電池とサイズ感を解説していきます。

蓄電池について

蓄電池とは、充電をすれば何度も使用可能な二次電池のことです。太陽光発電と組み合わせて電力の自給自足や自家発電が可能になったりと、災害時の非常用電源として注目を集めています。蓄電池にはどのような大きさのものがあって、どのようなタイプがあるのかなどを説明していきます。

蓄電池の大きさ

蓄電池の大きさは設置する場所により2つに分かれます。
①屋内設置型
②屋外設置型

平均的な家庭用蓄電池の大きさは屋内型で、エアコン室外機1台分です。屋外型はエアコン室外機を縦に重ねて1~2台分ほどと考えてください。最近では蓄電池の小型化も進んでいますので、スペースの確保と設置がしやすくなっています。

屋外型の方が屋内型よりも一般的に大きくなります。
また、蓄電池の大きさは蓄電容量や出力によっても異なり、蓄電容量や出力が大きければ大きいほどサイズも大きくなります。

製品のタイプは2種類になります。
①定置型(系統連系型)
②ポータブル型

定置型(系統連系型)は電力会社の送電線につなげるタイプです。屋内に設置するには少し大きいので、部屋のスペースを大幅に取る場合があります。
ポータブル型は家庭のコンセントから充電できるコンパクトタイプとなっています。ポータブル型は定置型に比べ、小さくて軽くスペースも取りませんが、その分蓄電池容量が小さくなってしまいます。

蓄電池の重さ

蓄電池の重さは大きさと同様、設置場所と蓄電容量、出力によって異なります。平均的な重量は屋内設置型で60~170kgで、屋外設置型で120~250kgとなります。屋外に設置する定置型は基礎をしっかりしているので、一度設置したら場所を変えることができません。地震が来ても倒れなければ、重量が多くても安心ですよね。

屋内に設置する場合、重さには十分気を付けなければいけません。床が重さに耐えきれず抜けたりしないかなど、設置する時に業者に相談し、耐久性などに問題がないかチェックしてもらうのがいいでしょう。

蓄電池を設置できる場所

蓄電池は高温や湿気に弱く、内臓されているリチウムイオン電池は寒さにも弱いです。設置する場所はしっかり考えないと事故につながります。

屋内に設置するのであれば、分電盤に近い場所や使用したい機器に近い場所がいいでしょう。製品とスペースの大きさと条件が合えば、階段下やクローゼットなど人目につかない場所でも設置可能です。重さで床が抜けないのも大切ですね。蓄電池の音は小さいですが、小さな音でも敏感になる寝室や仕事部屋は避けましょう。

屋外設置におけるスペースの条件は3つです。
①直接日光や風が当たらない
②通気性がよい
③積雪や結露、ほこりが少ない

設置場所を調査する際に、配線工事の都合もあるので専門業者に提案してもらうのがいいでしょう。外壁に沿って蓄電池を設置するケースが基本的になります。

蓄電池設置に必要な面積

蓄電池を設置する時は、製品本体のサイズよりも更に広いスペースが必要です。また、設置のために機器を運ぶための搬入経路の確保も必要です。必要な広さは約80cm幅で、自転車を押して通れるくらいの幅が運搬に必要な広さです。

設置作業やメンテナンス作業を行うスペースも確保する必要があります。隣人住宅の間に設置する場合はスペースの確保が難しくなります。選択した製品や作業内容によりますので、設置する前に業者に一度下見してもらうのがいいでしょう。

狭い家でも設置できる3つの方法

家が狭いため蓄電池が設置できないのではないか?と悩んでいる方に、具体例を交えて3つのタイプを紹介します。

コンパクトタイプ

ポータブル型でなくても、容量の大きい蓄電池をコンパクトタイプにすれば狭いスペースでも設置する事が可能です。

コンパクトサイズの例として、京セラのEGS-ML0650の大きさはW452×H656×D120、約52kgとコンパクトでスリムです。屋内、屋外両方に設置可能で、空気清浄機ほどのサイズなのに6.5kWhと蓄電容量も大きく、机の下や屋外外壁沿いのスペースに設置する事ができます。

6.5kWhもあれば停電時に、冷蔵庫・扇風機・テレビ・携帯電話の充電・パソコン・蛍光灯が最大12時間使えます。災害時の停電でも非常用電源として十分役立ちます。

太陽光発電から直流のまま蓄電でき、電気の変換ロスが少なくて済むので、太陽光発電をすでに設置済みか、これから導入しようと考えている方には電気を無駄なく使えてオススメです。

ハイブリッド型蓄電池

ハイブリッド型蓄電池とは、太陽光発電と蓄電池のパワーコンディショナが一体型の蓄電池のことです。パワーコンディショナを別々に用意しなくて済むので、省スペースに納めることができます。

既に太陽光発電を設置している場合、太陽光発電のパワーコンディショナの買い替えをするタイミングでハイブリッド型蓄電池を導入すれば、新しく性能の良いパワーコンディショナを手に入れることができます。コンパクトタイプもありますので、スペースに不安があっても検討する事が可能です。

壁掛けタイプ

床面に設置する場所がなくて導入を見送ろうとしている場合、壁掛けタイプの蓄電池をオススメします。壁掛けタイプは屋内、屋外の両方があります。

屋内用であればエアコンよりも一回り小さいサイズですので、部屋にあっても違和感を感じないデザイン性のあるものもあります。例えば、パナソニック製のSJAは、W605×H350×D155mmとコンパクト設計でありながら蓄電容量が1kWhです。

屋外用でデザインもすっきりしていてコンパクトサイズな例として、テスラのパワーフォールがあります。パワーウォールはW1150 mm×H753 mm×D147 mmであり、蓄電容量が13.5kWhと大容量です。本体価格も税抜きで99万円と家庭用蓄電池の中でも飛びぬけて安いです。壁の強度問題で木造住宅などには設置できない可能性もありますので、導入前に設置可能か業者に相談しましょう。

タイプ別蓄電池サイズ

メーカー毎に蓄電池のサイズや特徴は異なります。設置するのなら、できるだけ場所を取らず、スリムでコンパクト、かつ設置しても違和感を感じないデザイン性のあるものがいいですよね。
コンパクト性とデザイン性が高いものを、例を交えて紹介していきます。

コンパクト性

オムロンは1933年に創業され、医療機器製造で培った技術を活かし、主に制御機器や電子部品を開発しているメーカーです。オムロンと聞くと体温計など健康機器を思い浮かべる人は多いでしょう。太陽光発電と蓄電システムの連携で省エネを目指し、環境に配慮した事業に意欲的です。

環境関連事業として、太陽光発電用パワーコンディショナの定番メーカーの一つであり、蓄電システムの開発と販売も行っています。
フレキシブル蓄電システムの構成は、蓄電システム用パワーコンディショナと蓄電池が主となっています。オムロンにはハイブリッド蓄電システム「KP48S2シリーズ」と、フレキシブル蓄電システム「KPACシリーズ」という2種類の蓄電システムがあります。

オムロンのフレキシブル蓄電システムKPAC-Aシリーズは、容量が6.5kWhタイプで452×656×120mm、質量52kg、室内設置可能であり、容量が9.8kWhで452×542×228mm、質量78kg、屋外設置・壁掛け可能です。

6.5kWh、9.8kWh共に世界最小・最軽量のスリムかつコンパクト設計のため、大容量でありながら部屋のレイアウトを崩すことなく設置場所を選びません。

大容量ですので、停電時に冷蔵庫や照明など合計300Wをフル充電で使ったとしても6.5kWhで約19時間、9.8kWhで約29時間使用可能です。停電が長期化しても安心することができ、非常用電源としてとても頼もしいです。

9.8kWhタイプは、自立設置だけでなく壁掛け設置も可能です。壁掛け設置は基礎工事が不要であり、水害などの自然災害を回避することができます。

また、6.5kWhは重塩害地域対応タイプも選択可能ですので、海岸線より500m以内でも安心して蓄電池を設置することができます。

デザイン性

京セラはZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)への取り組みにも意欲的で、太陽光発電による蓄電を無駄なく活かす製品を開発しています。京セラの家庭用蓄電池は、リチウムイオン蓄電システムで、屋外に設置するタイプです。蓄電容量が大きく、長時間におよぶ電化製品の使用に対する耐久性が高いです。

京セラは世界初クレイ型リチウムイオン蓄電池の開発に成功しました。
クレイ型リチウムイオン蓄電池は3つの優位性を実現しています。
①長寿命
②高い安全性
③電極が粘土状であるため製造プロセスの大幅簡素化による低コスト

2020年1月以降、新型の蓄電池システムEnerezza(エネレッツァ)を少数限定販売し、2021年2月の販売開始が決まりました。

Enerezzaは公益財団法人日本デザイン振興会主催の2019年度グッドデザイン賞を受賞しています。外観の継ぎ目のない滑らかな局面で覆われた美しいフィルムに加え、蓄電池ユニット、パワーコンディショナ、リモコンに統一感を持たせ、住空間に溶け込む高いデザイン性を実現しています。強弱をつけて必要な数値を一目で見やすくするなど、リモコン表示においてもユーザビリティに配慮と工夫を実地しています。

容量も5.0kWh、10.0kWh、15.0kWhと多様な顧客のニーズに応じたラインナップになっています。太陽光発電システムの容量、生活スタイル、非常時電源として使用したい電力量などから最適な容量を選択できます。

また、インターネット環境に頼らず、LTE専用回線と通信モデムを標準で用意し、専用サーバーへの接続によって個別動作の状況把握が可能な見守りサポート機能があります。ソフトウェアのフォームアップが必要となった際に、遠隔での実地も可能ですのでとても頼もしいですよね。

まとめ

蓄電池とサイズ感、スリムかつコンパクト、デザイン性について解説してきました。以下まとめになります。

・狭い家でも蓄電池は条件次第で設置できる
・蓄電池は場所を選ばず設置できるものが開発されている
・蓄電池はどんどんスリム・コンパクト・デザイン性があるものへと進化している

災害時の非常用電源として注目を浴びつつある蓄電池は今後更に進化を遂げ、コンパクトでスリム、そして調和のあるデザイン性のものが開発されていくでしょう。今後の蓄電池のサイズ感にとても期待できます。
以上、蓄電池のサイズ感とスリムかつコンパクト、デザイン性についてでした。

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蓄電池コンシェルジュは、蓄電池を購入しようとお考えの方々に、蓄電池を活かした暮らしをするための上質なコンシェルジュサービスをご提供しております。再生可能エネルギーに理解のある方々にご利用頂くことが「脱炭素社会」実現へのカギとなります。蓄電池コンシェルジュは、文化的、社会的資産を後世に引き継ぎ、社会的責任としての取組みのみならず、日本の人口減少と地球温暖化の危機を救うためのお手伝いをさせて頂いております。

蓄電池コンシェルジュは皆さまの人生をより豊かにする蓄電池をご提案させて頂きます。皆さまのご利用を心よりお待ち申し上げております。

蓄電池コンシェルジュ代表
根上 幸久

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