蓄電池は災害時に人の心を安心させるアイテムである

地震や台風などの災害が起こると、電柱が倒れて停電が発生します。太陽光発電を設置している家でも使える電気量は1.5kWぐらいしかなく、太陽が照っている間しか電気を使えません。蓄電池を設置していれば停電時でも家電製品を使うことが可能になります。しかし、蓄電池も蓄電している容量以上は電気を使えません。
災害時に蓄電池があればどれくらい家電を使うことができるのか、災害用の蓄電池として一体何があるのかを解説していきたいと思います。

停電時に必要な蓄電池の容量と出力

蓄電池の容量は約4~15kWです。家電を動かせる時間は蓄電池の容量によって異なります。
停電時の出力は1.5kWから高いと5.9kWになります。一度に使える荷電数を決めているのが出力です。

停電が起きて、一つの部屋で家族が過ごすとします。復旧までに12時間かかった場合、電灯や携帯電話の充電、冷蔵庫など生活をする上での最低ラインとして1,720W使用。更にテレビやエアコンを使用すると9,120Wなので、10kWの蓄電池が必要です。4kWの蓄電池では足りません。

災害による停電が発生した場合、一日で消費する電力は約4kWh前後と言われています。使用する家電には冷蔵庫やパソコン、テレビなども含まれているので、それらを省いた最低限の生活であれば4kWhでも2日は耐えられそうです。

蓄電池を購入する時は家電を同時に動かせる数を決める出力も気にして選びましょう。エアコンやIHは電圧が200Vあります。他の家電は100Vがほとんどで、蓄電池によっては100Vしか対応していないものもあります。200V非対応の場合、その家電は使えない可能性が高いのでご注意ください。太陽光発電が設置されている場合、晴れていれば電気は補充されるので昼間は100Vのヒーターを使うという手もあります。

停電時に普段通りの生活を送る、というのは復旧の目途が立っている事が前提です。いつ復旧するのかわからない場合は極力省エネを心がけなければいけません。省エネで過ごすには最低2kWの電気がないととても不便です。少しでも蓄電池を有効に使うためには、待機電力を極力0に持っていく必要があり、停電時は冷蔵庫以外のコンセントを全て抜くのがいいでしょう。便座の温暖機能やウォシュレットは使わなくても電気を使って便座を温めたりするので必ず抜いてください。
また、オール電化の家庭はエコキュートが全力でお湯をわかしていたなど、予想外に作動することがあるのでご注意ください。

蓄電池には2種類ある

蓄電池には全負荷型と特定負荷型があります。
全負荷型は家全体を電気でバックアップし、停電発生後瞬時に蓄電池から電力供給に切り替わるので、普段と同じように家電を使用できます。

特定負荷型は電力を供給するエリア(部屋)を予め選んで置き、停電が発生するとそのエリアだけが電気を使用する事ができます。他の部屋は使用できません。台所などを指定しておくと冷蔵庫が停電のせいで急に止まるということがないためすごく便利ですよね。

蓄電池は水にとても弱い

蓄電池は基礎をしっかりと固定する設計になっているので、自信による災害時によほど強い地震が来ない限り倒れないようになっています。
しかし、台風による洪水など水に浸かってしまうと深刻なダメージを受け使えなくなります。蓄電池は電気を貯めるものなので触ると感電する事があります。水に浸かってしまった場合、メーカーや販売店、工事店に速やかに連絡するのがいいでしょう。
洪水が心配な場合、屋内に設置するという事も検討してみてはいかがでしょうか。ただし、これには2つ条件があります。

①床上浸水しても大丈夫なように2階に設置
②蓄電池はかなりの重量なので床が抜ける心配のない場所を確保

蓄電池を屋内に設置しても、1階屋外に設置してあるパワーコンディショナーが浸水してしまうと使えなくなってしまいます。蓄電池を購入する時は洪水時の製品保証をしてくれる動産保険付きかをしっかりと確認しましょう。もし動産保険がついていない場合、家庭で加入している動産保険に追加するよう交渉してください。

蓄電池と太陽光発電

8kWhや12kWhなどの大容量の蓄電池があれば2,3日は耐える事が出来ますが、限界はあります。1~2週間も停電が続き、蓄電池の電力残量が切れてしまうと電気のない生活を送らないといけなくなります。これはとても辛いです。そんな時に助けになるのが太陽光発電です。太陽光発電で晴れている昼間は電気を発電し、使用しきれなかった電気は貯蓄して夜に使います。よほどの悪天候や蓄電池の故障がない限り、停電時でも長期間電気のある生活を送ることが可能です。日本は災害と隣り合わせの国です。経済的なメリットも考慮して、蓄電池と共に太陽光発電も一緒に設置するのがいいでしょう。国や自治団体から補助金も出ているので、この機会にぜひ検討してみてください。

太陽光発電と蓄電池を同時に購入する時、それぞれメーカーが異なる場合の注意点は3つです。
①メーカー保証
②動作の最適性
③アフターサービス

メーカーによっては同じメーカーでの製品でないと保証がつかない可能性があります。そうなると故障した場合、修理費などは全額自己負担になります。
メーカーが異なると正常に動作しない場合もあります。そうすると蓄電池の劣化が早まってしまうのでご注意ください。双方のメーカーで情報連携しながらアフターケアをしてくれるか確認する必要があります。

また、太陽光発電と蓄電池を検討しているのなら電気自動車に搭載されているV2Hを併用するのもオススメです。V2Hとは電気自動車に搭載されている蓄電池の電力を家庭内でも利用することができるシステムです。電気自動車があれば、災害時に停電していない地域に車を走らせ物資を補給するだけでなく、充電する事もできます。

災害時にはポータブル蓄電池が便利

蓄電池には持ち運びができるポータブルなものもあります。しかし、キャンプなどで使うものは容量が小さいため電化製品を使うには足りません。災害時に大容量の蓄電池があれば、スマホの充電やラジオ、テレビによる情報収集。冷蔵庫や炊飯器、電気ポットなど調理に必要な電化製品も使う事が可能です。
大容量ポータブル電源とソーラーパネルを組み合わせたら、長期間の電源確保も可能ですので、停電が長期化しても電気に困ることはありません。これはすごく助かりますよね。

ポータブル電源とは持ち運びできる蓄電池の事です。コンパクトで場所を選ばず手軽に充電ができ、持ち運びができるのが特徴です。ポータブル電源は家庭用コンセントから給電できなくても、ソーラーパネルや車のシガーソケットから充電できるので予備電源として使う事が可能です。車中泊、キャンプや釣りなどのアウトドアだけでなく、災害時の備えとしても注目を浴びています。

ポータブル蓄電池は製品によって1.3kgから8.0kgと多種多様です。5kgまでなら手で持ち運びできる重さですが、それ以上となるとキャスターで運ぶのがいいでしょう。ポータブル蓄電池の中にはキャスター付きもあるので、災害時に持ち出すのがとても便利です。

ポータブル蓄電池は最大で5kWhの製品もあり、これだけあれば災害時に冷蔵庫やテレビなどの電化製品に使えます。
ポータブル蓄電池の容量は表記方法が製品によって異なり分かりにくい場合もあります。
もしmAhで表示されていたらWhに変換するのがいいでしょう。
mAhで表示されている場合は、「mAh÷1000×定格電圧(V)」の計算式でWhに変換すると比較しやすいです。例えば500mAh、5Vの場合2.5Whになります。

ポータブル蓄電池には3種類の出力ポートがある

ポータブル蓄電池を選ぶ時は、災害時に使用したい電化製品に対応する出力ポートがポータブル蓄電池に付いているか必ず確認しましょう。

ポータブル蓄電池の出力ポートは3つあります。
①AC出力
②DC電源出力ポート
③USBポート

AC出力ポートは一般的なコンセントがついている電化製品であれば使用できると考えていいでしょう。
DC電源出力ポートはピンジャックタイプとシガーソケットタイプがあります。搭載されている出力ポートや口数は蓄電池により異なるので、使用する電化製品の数や種類に合わせて選ぶようにすると良いでしょう。
USBポートはスマホやPCなどの充電、電源確保に便利な出力ポートで、モバイルバッテリーのほとんどに付いています。

せっかくポータブル蓄電池を備えて購入していたのに、家電に対応するポートが付いていないなんて事があったら悔しいですよね。そうならないために、購入時にポートタイプを必ず確認してください。

電圧の出力波形

ポータブル蓄電池には3種類の出力波形というものがあります。
①矩形波
②疑似正弦波
③正弦波(サイン波)

矩形波と疑似正弦波タイプは、価格は安いのですが、携帯の充電や点灯のみなど、用途が限られています。冷蔵庫やPCなどの精密機器には使えません。
正弦波タイプは、値段は高いですが、精密機器など多くの電化製品に使うことができるのでオススメします。

また、東日本と西日本ではACアダプター出力時の周波数が異なります。周波数が合わないと使えない電化製品もあるので、東日本(50Hz)と西日本(60Hz)のどちらも使えるモデルを選びましょう。

ポータブル蓄電池の充電方式

ポータブル蓄電池を充電するには3種類の方法があります。
①ACアダプター
②シガーソケット
③ソーラーパネル

災害時では停電し、電力の供給が途絶える可能性が考慮されます。そうなるとポータブル蓄電池を充電するにはACアダプターだけでは足りません。コンセント以外で充電できる事も、ポータブル蓄電池にとって重要であると言えます。

災害によって家が崩壊し、車中泊をするのならシガーソケットに対応した蓄電池が有効でしょう。
ソーラーパネル対応蓄電池は太陽が出ている間、電気が不足するという心配がありません。災害が長期化しても電力を確保できるのでオススメです。

安全性の高いポータブル蓄電池を選ぼう

蓄電池にはリチウムイオン電池が使われています。高熱による発火が起こる可能性がないとは言い切れません。
安全性の高い製品を選ぶにはPES(電気用品安全法)検査合格製品を選ぶといいでしょう。
また、安全に使用するために保証期間もしっかりと確認しましょう。

まとめ

災害時に蓄電池があればどれくらい家電を使うことができるのか、災害用の蓄電池として一体何があるのかを解説してきました。以下まとめになります。

・災害時、人が普段通り生活するには最低4kWh必要
・蓄電池と太陽光発電の組み合わせは災害時にとても有効
・ポータブル蓄電池があれば災害時に家が崩壊しても車の中で過ごせる

災害が起こると、高確率で停電が発生します。その時、蓄電池があれば数日普段通りの生活が可能であり、苦しむ必要はありません。太陽光発電と組み合わせると、日中の天候が良ければ1~2週間維持する事ができます。災害が起これば人の心はとても不安です。そんな時に蓄電池は人々の心を安心させることができるでしょう。
以上、蓄電池と災害についてでした。

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蓄電池コンシェルジュは、蓄電池を購入しようとお考えの方々に、蓄電池を活かした暮らしをするための上質なコンシェルジュサービスをご提供しております。再生可能エネルギーに理解のある方々にご利用頂くことが「脱炭素社会」実現へのカギとなります。蓄電池コンシェルジュは、文化的、社会的資産を後世に引き継ぎ、社会的責任としての取組みのみならず、日本の人口減少と地球温暖化の危機を救うためのお手伝いをさせて頂いております。

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蓄電池コンシェルジュ代表
根上 幸久

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