蓄電池の価格や導入費用はどのようにして決まるの?徹底解説!

貯めたい電気の量・使用したい電気の量の配分を考えて、蓄電容量を選択しましょう。
停電時に長期間電気のある生活を送るのに欠かせない蓄電器の認識は徐々に一般家庭へと浸透していっています。しかし、家庭用蓄電器は高価であり、中々手が出せないのが現状です。蓄電池があれば、真っ暗な停電時も電気のある生活ができ、不安におびえる心が電気の光によって軽減されますよね。少しでも蓄電池が安くなり、一般家庭に普及する可能性はあるのでしょうか。今回は蓄電池の価格とはどのように決まり、導入費用はどれくらいかかるのかを解説していきたいと思います。

蓄電池の価格を決める要素

蓄電池の価格を決める要素は2つです。
①蓄電容量
②蓄電池の種類

蓄電池の価格は蓄電容量によって異なります。蓄電容量とは蓄電池に貯蓄できる容量のことです。より電気を貯める事ができる蓄電池は、停電時に家電を長時間使用することができるので価格も高くなるのです。
ニチコン製の4.1kWhはメーカー小売り希望価格99.8万円なのに対し、16.6kWhだと400万円となり、約4倍も違います。
家庭用蓄電池のメーカー品は1~12kWhの物が多く、5~7kWhは特に人気です。

蓄電池の価格を決めるもう一つの要素は蓄電池の種類です。
①太陽光発電システムと連携可能な定置型
②工事不要で室内に手軽に設置可能なポータブル型(コンセント接続型)

定置型は4kWh以上の蓄電池で、下調べによって設置場所が決まります。太陽光発電と接続して蓄電が可能で、設置費用の相場は100万円前後と言われています。ポータブル型よりもサイズが大きく、パワーコンディショナなどの機器と接続するため配線工事や電気工事が必要となります。

太陽光発電システムと連携する場合、特定負荷型と全負荷型に分けられます。
全負荷型は停電時家全体を包み込むようにバックアップし、普段通りと同じように電気を使用することが可能です。考えて電気を使わないと蓄電池に貯めた電気を早く使い切ってしまう場合もあるのでご注意ください。長期間雨天が続くなど、悪天候が続くと太陽光発電から充電が満足にできない場合もあります。
オール電化住宅や小さな子供がいるなど、電気の供給が完全に切断すると生活の大半が成り立たない場合は全負荷型がオススメです。

特定負荷型はあらかじめ選んでおいた特定の家電にのみ電力を給電します。電気が使える部屋が限られていて、最低限の電気しか使用しないため、長期間にわたって電気を使用できると言えるでしょう。たとえば冷蔵庫に接続しているコンセントだけ停電時でも使えるよう設定することができるのです。特定型負荷型は限られたコンセントのある部屋しか電気を利用できないので、通常通りの生活を送るのは難しいと言えます。費用を節約したい一人暮らしなどにオススメです。

ポータブル型はとてもシンプルで、購入後に自分で家庭用コンセントにつないで充電するだけです。施工業者による設置工事が不要で、価格相場も数万から数十万円程です。
ポータブル型の蓄電容量は200~500Whが一般的と言われています。停電時用に備えるのであれば500Wh以上のものがいいでしょう。ポータブル型は電気系統から独立しているので、太陽光発電の蓄電には使用不可能です。

蓄電池の費用

蓄電池の価格は基準価格と目標価格で表示されます。市場価格をもとに国が定めた価格を基準価格、この価格にできるまでコストをさげるよう企業努力の目標として国が設定した価格を目標価格といいます。実際の価格に近いのは基準価格の方になります。
価格相場はメーカーや容量、機能、耐性年数、保証などによって異なります。それぞれ自分に見合った性能を持つ蓄電池を選ぶといいでしょう。

蓄電池の導入費用

蓄電池を設置する時の初期費用は2つに分けられます。
①購入費用
②工事費用

蓄電池の本体価格を購入費用といいます。蓄電池のメーカーや容量によって異なりますが、相場はだいたい50万円から140万円です。

蓄電池を設置する施工業者に支払う費用を工事費用といい、設置場所の事前調査、基礎工事、蓄電池の取り付けや配線など設置工事にかかる費用のことを指します。
現地調査とは設置できる場所の基準が消防法に適合するかどうか事前確認することです。蓄電池の設置基準は4つです。
①スペースが十分あって通気性は確保されているか
②床は燃えにくく、抜けたりしないか
③倒れたり落下する危険性はないか
④浸水の危険性はないか

太陽光発電を併設する場合は、設備や位置関係、分電盤やリモコンなどの周辺機器と配線経路も確認しておくといいでしょう。
屋外に設置する場合、基礎工事が必要です。設置後、地震などによる転倒や浸水を防止するために、水平で丈夫なコンクリートの土台を作ります。蓄電池の種類によっては簡易基礎が可能なものがあり、簡易基礎は大規模な工事が必要ありません。

設置場所の準備が終了後、蓄電池本体を組み立て基礎や壁面と固定します。その後、パワーコンディショナ・コンバータ・分電盤などの機器と配線を繋ぎます。
設置が完全に終わると、最後に蓄電池の動作モードなどを付属のコントローラーで設定します。蓄電池の動作モードには大きく2つあります。
①太陽光発電の買電を優先するモード
②蓄電池への充電を最優先させるモード

停電時に備え、常に蓄電池に電気を貯蓄しておく設定もできます。蓄電池が正しく動作するか確認して、設置工事は完了となります。
業者によって異なりますが、相場はだいたい20万円から30万円です。

蓄電池導入には補助金利用がお得

家庭用蓄電池は産業用蓄電池に比べ安いとはいえ、やはり高単価です。蓄電池導入にはできる限り補助金を利用して費用を抑えるのがいいでしょう。
補助金を受けるには条件があります。
①10kW未満の太陽光発電設備を併設、すでに設置しているか新しく設置するかは問わない
②災害時にグリーンモードに切り替え可能
③一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)に登録されている機種
グリーンモードとは、太陽光発電で作った電力を蓄電システムに充電し、夜間などに活用する自家消費優先モードのことです。
補助対象メーカーは以下の通りです。(2020年現時点)
・ニチコン
・SHARP
・京セラ
・長州産業
・田淵電機
・オムロン
・NFブロッサムテクノロジーズ
・ネクスト・エナジー・アンド・リソース
・デルタ電子
・村田製作所
・エリーパワー

補助金は国、地方自治体共に先着順です。申請期間中でも予算を超えてしまうと受付を途中で終了してしまいます。災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金は国が出している補助金です。2020年度の災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金は2020年7月に締め切られてしまいました。補助金を検討したら早めに行動するのがいいでしょう。もしわからない事があれば蓄電池の販売施工店や代行会社に相談するのがベストです。

蓄電池の導入価格は実際に見積もりを提示されないとわかりません。何故なら蓄電池の本体価格に設置費用、電気系統の工事費用がかかるので、施工店によって見積もりに価格差が出てしまいます。すでに太陽光発電がついている、有償メンテナンスを受ける、蓄電池と一緒に太陽光発電を設置するなどによっても導入費用は変わってきます。

太陽光発電と蓄電池の併用にはハイブリッドタイプがオススメ

太陽光発電と蓄電池のパワーコンディショナを1台にまとめたものをハイブリッド蓄電池といいます。電気のロスを最小限に抑える事が可能です。
また、すでに太陽光発電を設置していて、蓄電池を後付けする場合もハイブリッド型をオススメします。太陽光発電設置から10年経過し、パワーコンディショナが寿命の場合、ハイブリッド蓄電池にすると買い替えになるからです。太陽光発電のパワーコンディショナと蓄電池のパワーコンディショナをそれぞれ買うよりもお得な可能性が高く、有償ですが長期のメンテナンスや販売店独自の保証サービスをつけてくれる場合があります。

家庭や販売店によって蓄電池のトータル見積もりは変わってくるので、適正な導入費用にするため複数社から見積もりを取って価格を比較するのがいいでしょう。

自家消費と売電のどちらを重視するか

太陽光発電には2つの発電があります。
①ダブル発電
②シングル発電

太陽光でつくられた電力が余っている間も蓄電池から放電し続ける事をダブル発電と言います。ダブル発電は売電できる量が増えるので押し上げ効果があるように見えますが、シングル発電と比較すると1kWhの売電単価が低くなります。

売電している間蓄電池から家庭内への電力供給が自動的に停止するのがシングル発電です。売電できる量が制限されますが売電単価が高くなります。

自家消費と売電のどちらを重要視するかによって発電タイプも変わってきます。もしどちらがいいのか決めきれない場合はダブル発電とシングル発電を切り替え可能な製品を購入するという手もあります。しかし、発電タイプを変更するには電力会社と契約しなおす必要があります。また、2019年度からシングル発電とダブル発電の売電単価が同等となったのでご注意ください。

組み合わせによって年間約24万円電気料金が削減できる

蓄電池を導入する時に、太陽光発電とオール電化を一緒に導入した場合、いくら電気代を節約できるのでしょうか。導入する前の月々の電気料金を約22,000円とし、導入後の電気料金削減を表にしてみました。

蓄電池だけの場合蓄電池+太陽光発電蓄電池+太陽光発電+オール電化
約15,000円約5,000円約2,000円
7,000円削減17,000円削減約20,000円削減
約8.4万円/1年約20.4万円/1年約24万円/1年
約84万円/10年約204万円/10年約240万円/10年

蓄電池と太陽光発電とオール電化は初期費用が高くなりますが、10年間で約240万円も削減できるのはとても節電できてすごいですね。

まとめ

蓄電池の価格と費用、導入費用について解説してきました。以下まとめになります。

・蓄電池は容量や発電タイプなど自分の生活に見合うものを導入する
・蓄電池の導入費用は施工店によって異なるので複数見積もりを取るのがいい
・蓄電池を導入するなら太陽光発電と併用するのがオススメ

100万円~250万円が一般的な蓄電池システム費用の相場だと言われています。
蓄電池そのものが高くなったのではなく、設置する蓄電池の容量が大きくなっていったため、2018年と2020年を比べると費用分布の相場は上昇しています。施工店によって保証サービスや見積もりは大きく異なるので、複数の見積もりを取ってぜひ納得いくまで検討してください。
以上蓄電池の価格と費用、導入費用についてでした。

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蓄電池コンシェルジュは、蓄電池を購入しようとお考えの方々に、蓄電池を活かした暮らしをするための上質なコンシェルジュサービスをご提供しております。再生可能エネルギーに理解のある方々にご利用頂くことが「脱炭素社会」実現へのカギとなります。蓄電池コンシェルジュは、文化的、社会的資産を後世に引き継ぎ、社会的責任としての取組みのみならず、日本の人口減少と地球温暖化の危機を救うためのお手伝いをさせて頂いております。

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蓄電池コンシェルジュ代表
根上 幸久

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