蓄電池と太陽光発電は組み合わせるととてもいい

家庭用太陽光発電と蓄電池はセットで利用すると再生可能エネルギーとしてとてもメリットがあり、災害時による停電が起こっても電気のある生活を送ることができます。蓄電池は近年技術が急速に進み、家庭用太陽光発電システムと組み合わせるとお互いのデメリット部分を補い合い、更なる力を発揮します。
災害時に電気がないと不安ですよね。そこで今回は蓄電池と太陽光発電システムについて解説していきたいと思います。

蓄電池について

電池には2種類あります。
①一次電池
②二次電池

一次電池とは使い捨ての一度きりの電池の事であり、二次電池は充電すると寿命まで再生利用可能な電池のことです。スマホのバッテリーも二次電池です。蓄電池は二次電池にあたります。

蓄電池には大きく分けて2つあります
①産業用蓄電池
②家庭用蓄電池

この2つについて説明していきます。

産業用蓄電池

産業用蓄電池は大規模なものが多く、災害時の停電でデータが消失したりしないよう非常用電源として活躍しています。サイズも大きく大容量です。

産業用蓄電池の代表的な電池は4つです。
①鉛蓄電池
②リチウムイオン電池
③ニッケル水素電池
④NAS電池

鉛蓄電池は150年前に開発された、歴史の古い蓄電池です。自動車用バッテリーやフォークリフト、産業用バッテリーなど、幅広く活躍しています。他の蓄電池と比べ安価であり、寿命が一定であるのが特徴です。耐用年数は17年と長寿ですが、過放電によって劣化するので充電のタイミングには気を付けましょう。

リチウムイオン電池は産業用、家庭用と幅広く活躍し、太陽光発電システムにも組み込まれている蓄電池です。充電サイクルはメーカーによって大きく異なり、耐用年数は10~15年です。しかし様々なメーカーが開発改良を行っているので、今後、長寿命になる可能性が大きいです。

ニッケル水素電池は鉄道やモノレールなどの大型設備の蓄電池装置として組み込まれています。充電サイクルが他に比べて非常に短く、耐用寿命も5年と短寿命です。安定して利用できる温度の幅が広く、充放電完了の時間が早いのがメリットです。

NAS蓄電池は日本ガイシと東京電力の共同開発によって生み出された蓄電池です。その蓄電用量は世界初のメガワットクラスで、サイズも鉛蓄電池よりも約1/3で小さく、耐用年数は約15年と寿命も長いです。
しかし、温度を300度に維持、硫黄などの危険物を使用しているため定期的なメンテナンスが必要です。

蓄電池はそれぞれ寿命や特徴が異なり、太陽光発電に用いられる蓄電池はリチウムイオン電池などが多いようです。

家庭用蓄電池

家庭用蓄電池は2種類に分けられます。
①定置型
②ポータブル型

定置型

定置型は設置時に基礎の土台をコンクリートで平行になるようしっかりと設置するので、地震などが起こっても転倒しないようになっている蓄電池です。太陽光システムと連携させる場合はこちらになります。

ポータブル型に比べサイズも大きく重量もあるので、設置には一定のスペースが必要です。蓄電容量も様々ですが、多いもので10kWh以上あり設置工事が必要です。

定置型には2種類あります。
①特定負荷型
②全負荷型

特定負荷型はあらかじめ指定しておいた電気機器の回線と家庭用蓄電池を連携させる方法です。連系した電気機器のみ電力供給できます。

全負荷型は家全体丸ごと包み込むように、住宅内全ての電気機器回路と家庭用蓄電池を連携させ、停電が起こった際にどの電気機器でも使用することができます。

どちらも非常用電源として効果的です。全負荷型は小さなお子さんがいる大家族にオススメですが、マンションで一人暮らしの人だと手に余るでしょう。自宅の電力消費はどれくらいで、非常時になるとどれを節電するかを考えてから、全負荷か特定にするかを決めるといいでしょう。

ポータブル型

ポータブル型は移動の際に持ち運びが可能で、ホームセンターなどで見かけることができます。設置スペースに困ることなく、低価格で工事不要なのが魅力的ですね。
大がかりな施工工事が要らないので、ポータブル型の費用は本体購入費のみです。ポータブル型はメーカーによって異なり、その価格はだいたい数万円から10万円台でしょう。

ポータブル型蓄電池は手軽に購入できてとても便利ですが、長期間の災害への備えと考えると定置型を設置しておいた方が安心して生活ができると言えるでしょう。

蓄電池導入には補助金が出る

家庭用蓄電池は産業用蓄電池に比べて価格が安いといっても、一般家庭にとっては高価です。その場合、地方自治体が独自で行っている補助金制度を利用してみましょう。

太陽光発電について

太陽光発電は再生可能エネルギーの一つです。太陽の光エネルギーで発電し、発電中にCO2などの有害物質が出ない特性があります。1958年、アメリカの人口惑星ヴァンガード1号に燃料の届かない宇宙で電源として世界で初めて用いられました。

太陽電池に光エネルギーが当たると光電効果や光起電力効果が起こります。光が照射されることによって、半導体を構成する半導体の電子が動き、電気が起こります。

太陽電池をたくさん繋げて大きなパネルにしたものをソーラーパネルといいます。一番小さな単位をセルといい、セルを板状につなげたものをモジュール、モジュールを繋げた最大の単位をアレイといいます。
セルでは出力が小さいので、発電できる出力を計算しながら載せる枚数を検討し、モジュール単位で屋根に設置します。大きな電力を効率よく生み出すために、たくさんのソーラーパネルを広い土地に設置して大きな電力を生み出す、メガソーラーという太陽光発電施設も増えつつあります。

ソーラーパネルは一体どれぐらい電力を生み出すのでしょうか。
例えば土地2ヘクタールにソーラーパネルを置くと、約1MW(1,000kW)の電力を生み出すことができます。
ソーラーパネルは設置するための広い土地と日射量の多い土地を必要とします。大量の電気を送るために送電線が必要であり、土地の条件がよくても送電線の容量が空いていない場合は建設できません。

太陽光発電と家庭用蓄電池

住宅用太陽光発電システム単体や家庭用蓄電池単体でも運用はできますが、組み合わせることによってどのようなメリットとデメリットがあるのかを説明します。

メリット

家庭用太陽光発電と蓄電池を組み合わせるメリットは5つです。

①災害時に非常用電源として活用
②夜間に蓄電池へ貯蓄した電気を使用して節電
③ピークカットによる節電効果
④FIT制度終了後の自家消費に活用
⑤一体型パワコン導入でお得に買い替え

それぞれのメリットについて説明していきます。

災害時に非常用電源として活用

太陽光発電システムだけでも災害時の非常用電源として活躍できますが、太陽光発電は天候に大きく左右され、曇りや雨が続くと発電できなくなってしまいます。
しかし、太陽光発電システムと家庭用蓄電池を組み合わせると電力の自給自足と自家電力消費が可能となり、長期の停電時でも節約すれば普段通りの電気ある生活が送れるでしょう。これはとても安心できますよね。

夜間に蓄電池へ貯蓄した電気を使用して節電

日中に太陽光発電システムで発電した電気で自家消費し、余った電力を蓄電します。夜になると太陽光発電は電気を発電できないので、昼に余った電力で自家消費する事で電力会社から買電する量を抑える事ができるのです。

ピークカットによる節電効果

ピークカットによる節電効果はとても期待できると言えるでしょう。ピークカットとは1日の中で最も使用量の多い部分を少しでも削減して節電することです。電気代節約のために無理をして電気使用量を減らすことなくピークカットを実現できるのです。

FIT制度終了後の自家消費に活用

2019年頃にFIT制度は終了しつつあり、これから電力は売るよりも少しでも電力会社から電気を買わずに自家発電、自家消費する時代になります。日中太陽光発電で貯めた電気で自家消費し、余った電力を蓄電器に貯蓄する。そして発電できない夜に余った電力で自家消費し、電気会社から電力をあまり買わないようにすれば、電気代を節約することができます。

FIT制度の売電価格は下がりますが、売電自体がなくなったわけではありません。自家消費してもまだ電気が余っている場合は、電力会社に売電する事も可能です。家庭用蓄電池を後付けしてFIT制度を利用するには申し込み届を出さなければなりませんが、わからない場合は近くの販売店に相談するのがいいでしょう。節電もできて売電もできる、そんな賢い電気の使い方ができるなんてすごいですね。

一体型パワコン導入でお得に買い替え

太陽光発電と蓄電池のパワーコンディショナのパワコン一体型蓄電池は省スペースでの設置が可能になります。また、太陽光発電を設置して数年経っていると、パワコンを買い替える場合があります。しかし、パワコン一体型ならば買い替えを兼ねることができ、以前より変換効率がよく、設置容量が変わらなくても売電量が増えることになります。

デメリット

①家庭用蓄電池を手軽に導入できない
②設置スペースの確保が大変

家庭用蓄電池を手軽に導入できない

太陽光発電システムと組み合わせる事ができる家庭用蓄電池は、高価格で手軽に導入することが難しいと言えるでしょう。当初200万円以上だった頃と比べると少しは低価格になりつつありますが、それでも一般家庭が購入するには高価格でしょう。
地方自治体が出している補助金制度を受ければ少し安くなりますが、条件や金額が地方自治体により異なり、住んでいる地域によっては実施していない所もあります。

設置スペースの確保が大変

太陽光システムと家庭用蓄電池の組み合わせに期待されるのは節電と非常用電源としての活用です。非常用電源として活用するには定置型蓄電池であることが必要です。
定置型蓄電池は住宅用でもエアコンの室外機2台分のサイズがあり、設置スペースを確保するのが大変です。また塩害地域などは屋外設備が厳しく、塩害避けを同時に設置する必要があるので設置費用が高くなります。

太陽光発電と蓄電池の組み合わせはデメリットもありますが、それを踏まえてでもメリットが多く、一緒に設置した方が良いと言えるでしょう。

まとめ

蓄電池と太陽光発電について解説してきました。以下まとめになります。

・蓄電池があると停電時電気のある生活を送ることができる
・太陽光発電システムと蓄電池はお互いのデメリットを補う合うことができる
・太陽光発電と蓄電池を組み合わせると節電ができて非常用電源にもなる

太陽光発電と蓄電池をどちらか一つだけ、というより2つ組み合わせるととても節電効果があり、停電時に電気のある普段通りに近い生活を長期間送ることができます。これからの再生可能エネルギーと災害時の非常用電源として、電力の自給自足と自家消費ができるこの2つの組み合わせは必要となってくるでしょう。しかし、太陽光発電も蓄電池もとても高単価ですので、自分の一日の電気使用量を一度見直し、複数の会社に見積もりを出してもらってから購入を検討するのがいいと言えますね。
以上、蓄電池と太陽光発電についてでした。

最新情報をチェックしよう!
>蓄電池の未来をデザインするサービス

蓄電池の未来をデザインするサービス

蓄電池コンシェルジュは、蓄電池を購入しようとお考えの方々に、蓄電池を活かした暮らしをするための上質なコンシェルジュサービスをご提供しております。再生可能エネルギーに理解のある方々にご利用頂くことが「脱炭素社会」実現へのカギとなります。蓄電池コンシェルジュは、文化的、社会的資産を後世に引き継ぎ、社会的責任としての取組みのみならず、日本の人口減少と地球温暖化の危機を救うためのお手伝いをさせて頂いております。

蓄電池コンシェルジュは皆さまの人生をより豊かにする蓄電池をご提案させて頂きます。皆さまのご利用を心よりお待ち申し上げております。

蓄電池コンシェルジュ代表
根上 幸久

CTR IMG