蓄電池を病院に備えておけば安心? 命を預かるからこそ病院の非常時電源の確保は必須!

命を預かる病院は電気を使う機械が多く、災害などによる停電が起こってしまうと深刻な問題が発生してしまいます。
災害が発生するとけが人が出ることもあります。災害による停電で病院の機器が使えなくなった場合、一部の運営ができる病院に患者が集まり、事態が混乱する可能性があります。そうならないために個人医院でも蓄電池を備えておけば、非常時電源として使うことができます。東日本大震災以降は、医院をリフォームする際などに非常用バックアップ電源として蓄電池を設置するケースが増えています。今回は蓄電池と病院について解説します。

停電が病院に与える影響

発電所でのトラブルや災害、落雷など、普段何気なく使っている電気はいつ停電になるかわかりません。停電が発生すると一般家庭はもちろん、会社や病院も非常に困ります。

たとえば病院の場合、検査に必要な機器が使えない、電子カルテや処方箋の管理が入ったパソコンが使えないとなると、患者の受け入れができなくなってしまいます。そのため、院内の管理やシステムへの影響を考えたときにも、電気の備えは不可欠です。大きな病院の場合、停電時の備えをしているかもしれませんが、個人医院などは深刻な問題となるでしょう。

東日本大震災では、停電のために休診せざるを得なかった民間医院が少なくありませんでした。診療所やクリニックなどの個人医院でも、電子カルテの導入や薬品の保存に電気を必要とするからです。小規模な医院であっても「停電時への備え」の重要性が高まっています。

停電は主に以下のケースによって起こります。
・地震や落雷などの自然災害によって引き起こされる場合
・電気の使いすぎによってブレーカー落ちてしまった場合

病院は電気を多く使用することがあらかじめ想定されているため、ブレーカーが落ちることはあまりないので、自然災害による停電が懸念されます。
病院の停電は様々な所に深刻な問題を起こします。停電で起こる様々な問題は以下の通りです。

診療機器への影響

1つ目は「診療機器への影響」です。

診療中に停電した場合、診療に使用している全ての電気機器が使えなくなります。
人工呼吸器や麻酔器、出産用の吸引器や心拍を図るモニターなど、電気によって動いている機器がすべてストップします。会計関連情報を入力しているコンピュータのデータ処理はできなくなり、電子カルテも使えないので過去の診療情報を見る事ができません。たとえ手術中であっても、何も対策がされていなければ必要な電気や機械がすべて使えなくなるため、助かるはずだった患者さんの命も助からなくなってしまう可能性が高いです。

薬品への影響

2つ目は「薬品への影響」です。

地震などの災害による停電が発生した場合、電気が復旧するまでの時間は予測が立てづらいです。そうなると病院の冷蔵庫も停止し、冷蔵保存を必要とするワクチンなどが使えなくなってしまいます。

患者への直接的な影響

3つ目は「患者への直接的な影響」です。

停電で電気機器が使えなくなると、体調が悪い人に対して必要な検査や処置、薬の処方などができなくなります。そのため適切な対応ができず、通常の診察を受ければ治る人や、持病のある人、入院中の患者は症状が悪化してしまうことになりかねません。

また、エアコンなどの空調管理もできないため、熱中症や冷えにより体調が悪化する人が出てくるなど、健康被害が起こることが予想されます。

自家発電機だけでは1日持たない

病院では消防法や建築基準法などによって非常用電源の設置が必須と定められており、何らかの方法によって非常時にも電気を供給できるすべを確保しておかなければいけません。

そのため、多くの大きな病院や災害を意識した医院の場合、停電時に自家発電が稼働するシステムを導入しています。
しかし、自家発電機は燃料(液化石油ガスなど)が必要であるため、燃料が切れてしまえば電気を作り出すことができません。
種類にもよりますが、発電機は大体1時間あたり1リットル近くの燃料を消費します。タンク容量によって変わってきますが、発電機1基で短くて4時間から6時間しか持たず、1日中というのは厳しいといえます。
そのため、営業開始時間から営業終了時間まで電気を賄い続けることは難しいでしょう。
停電時の電源が燃料式の自家発電だけの場合、電気が普及するまで燃料を確保し続ける必要があります。自家発電を止めないように、どこで燃料が確保できるのか、どれだけ自家発電機を稼働させられるのかを確認しておきましょう。

太陽光発電や蓄電池も導入する

大規模な災害で長期間の停電が起こった場合は燃料が足りなくなり、自家発電装置が使えなくなる可能性も考えられます。
問題なく医院を運営するためには自家発電機だけでなく、太陽光発電システムや蓄電池があると十分な電力を賄えることができます。個人医院でも今後BCP対策は必要になってきます。そのため、蓄電池や太陽光発電の導入を考えているという方もいるかもしれません。

太陽光発電システムとは、太陽電池を用いて太陽光を直接的に電力へと変換する発電方式です。再生可能エネルギーである太陽エネルギーの利用方法の1つでもあります。

蓄電池とは、電気を充電して繰り返し使える二次電池のことであり、毎日一定時間、内蔵バッテリーへ電力を充電します。蓄電池に貯めた電気はさまざまな電気機器に供給できます。停電になると、蓄電池から電気が供給されるシステムに自動で切り替わりますので、非常時でも操作する必要はありません。充電や電気の供給が簡単ですので、非常時にも重宝する仕組みといえます。

太陽の出ている日中は太陽光発電システムで電力を作り出し、その電力を使います。余剰電力は蓄電池に貯め、太陽の出ていない夜間の電力として使うことができます。
昼間は太陽光発電システムで電力を賄い、太陽光で余った電力を蓄電池に貯めることで、夜間でも電力を賄うことができます。

一般的な家庭用蓄電池は10kWhですが、産業用蓄電池は10kWh以上のものから大容量のものであれば100kWh以上のものもあります。病院で蓄電池を使う場合、一般的なものでは足りない可能性があるため、産業用の蓄電池がオススメです。

賃貸物件などで工事ができないクリニックや診療所などの個人規模の医院の場合、工事が不要の持ち運びができるポータブル蓄電池がオススメです。ポータブル蓄電池は、人工呼吸器や吸引機、酸素濃縮器など、電力供給を想定した医療機器にも使うことができます。蓄電容量が2.2kWhで定格出力600Wの場合、人工呼吸器に約50時間、電力を供給できます。

蓄電池で実際どれくらいの電力が賄えるのか

蓄電池で実際どれくらいの電力が賄えるのかは、慧通信技術工業株式会社によると以下の通りです。
・小児科:最大5時間稼働(太陽光発電あり)
・手術室:5時間稼働
・手術用無影灯:10時間稼働
・薬品保冷庫:36時間稼働

蓄電池だけでも自家発電機と同じくらい、5時間ほど稼働させることができます。
さらに蓄電池は太陽光発電とセットで導入する事で、より長時間の電力を賄うことができます。

蓄電池と併用して太陽光発電を設置すれば、停電が長期化しても電力を確保し続けることができるので以下の事が可能になります。
・診療所やクリニックで通常時と同じ診療ができる
・入院患者のケアができる
・災害時に怪我人が大きな病院に集中して混乱する事態も避けることができる

ただし、人工呼吸器など命に直接関わる機器に関しては、一般的な蓄電池システムの単独使用は途中でバッテリーが切れると取り返しがつかなくなるため推奨しません。その場合、夜間でも発電できる自家発電装置と必ず併用しましょう。

非常用小型蓄電システム「LB0043PE4」

CONNEXX SYSTEMS株式会社のLB0043PE4は、停電対策の非常用電源・バックアップ電力の備えとして、病院・医療・クリニック・福祉施設や公共施設、企業・事業所などで業務継続を可能にする可搬型の業務用小型蓄電池です。専任管理者や設置工事も不要でコンセントに挿すだけで、届いたその日に使えます。
排気ガスや騒音の心配もなく屋内で使用することができ、大型キャスターで移動もスムーズなため、設置導入時の建築面での課題を解消します。
通常時はコンセントから充電しつつ負荷へ直接給電し、停電発生時は自動的に蓄電電力の供給に切り替わりますので、突発的な深夜の停電の備えとしても安心です。
定格出力1,500W、停電時でも壁コンセントと同様の電気が使用できるため、新型コロナワクチン保管などの超低温フリーザー、検体の冷凍保存用のインキュベーター、簡単な医療機器等のバックアップ電源の備えなどの停電対策として病院・医療機関や介護施設、バイオベンチャーなどに多くの採用実績があります。

LB0043PE4の使用時間は以下の通りです。
照明や分娩監視装置、吸引器など、分娩時に必要な機器:1~2時間の分娩対応を複数回カバーできるので停電時に急なお産が重なっても十分対応可能
培養室のインキュベーター:約24時間以上使用可能
内視鏡手術などに必要な機器:約6時間使用可能
白内障や硝子体の手術に必要な機器:約9時間
受付や診察に必要なパソコン機器や電話:約12時間
サーバー・ネットワーク機器:約7.5時間
スマートフォン:約200台充電可能

まとめ

蓄電池と病院について解説してきました。以下、まとめとなります。

・病院で停電になると命にかかわるため、消防法や建築基準法などによって非常用電源の設置が必須と定められている
・自家発電機や太陽光発電だけでは持たない可能性が高いので、蓄電池を備えておく
・コンセントを挿せばすぐに使える可動式業務用小型蓄電池は賃貸などで工事ができない個人診療所やクリニックにオススメ

規模の大きな病院では、すでに自家発電装置や太陽光発電が設置されていることが多く、停電が起こってもすぐに電気が止まってしまうことはほぼありません。しかし、自家発電装置などがいざというときに稼働しないリスクもあるため、災害時の停電など非常用電源として蓄電池を備えておきましょう。

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蓄電池コンシェルジュは、蓄電池を購入しようとお考えの方々に、蓄電池を活かした暮らしをするための上質なコンシェルジュサービスをご提供しております。再生可能エネルギーに理解のある方々にご利用頂くことが「脱炭素社会」実現へのカギとなります。蓄電池コンシェルジュは、文化的、社会的資産を後世に引き継ぎ、社会的責任としての取組みのみならず、日本の人口減少と地球温暖化の危機を救うためのお手伝いをさせて頂いております。

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蓄電池コンシェルジュ代表
根上 幸久

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