ポータブル蓄電池とアウトドア

ポータブル蓄電池はキャンプや車中泊などアウトドアにオススメ?持っていけばアウトドアの安全性と利便性を向上させてさらに楽しくなる!

近年、新型コロナウイルスなどの影響で、感染リスクが少なく、コロナ禍でも楽しめる娯楽として車中泊やソロキャンパーなどが増えつつあります。2020年には「ソロキャンプ」が流行語大賞TOP10にも入りました。

アウトドアに便利なのがポータブル蓄電池です。持ち運び可能な蓄電池なので、コンセントのない場所でもスマートフォンの充電から小型冷蔵庫、炊飯器の電源として非常に心強いです。季節によって扇風機や電気毛布を使うことができるので車中泊にも便利です。近年では、女性一人でも運べるスーツケース型のものを出てきています。

今回はキャンプや車中泊などの楽しみと安心度を向上させる、ポータブル蓄電池について解説します。

ポータブル蓄電池とは

ポータブル蓄電池とはリチウムイオン電池など、充電式電池を内蔵した持ち運び可能な蓄電装置のことです。

アウトドアで大活躍するポータブル蓄電池

明かりに困らない

車中泊をする際、車内灯を長時間つけっぱなしにするとバッテリーが上がってしまいます。しかし、ランタンやLEDライトをポータブル蓄電池に接続すれば長時間照明が可能です。

季節によるリスクを回避できる

夏場のキャンプは山間でも普段より高温になるため、扇風機や冷蔵庫などがなければ熱中症になる可能性があります。

また、冬場のキャンプは、夜になると急に気温が下がるため、ホットカーペットなどの容量が大きい暖房器具がないと、凍傷や低体温症になる可能性があります。

ポータブル蓄電池があれば必要な家電を使うことができ、リスクを回避することができます。

安い買い物ではないが、いざという時に便利で役に立つ

ポータブル蓄電池は容量・性能・機能にこだわるほど価格は高くなっていきます。

たとえば、約200Whの場合約2万円以内で収まりますが、約2,000Whでソーラーパネル2枚付きとなると約34万円以上します。

また、荷物としてかさばりがちなので、安価で軽量なモバイルバッテリーで十分ではないかと思えるかもしれません。

しかし、ポータブル蓄電池はいざという時、以下のように非常に便利で役に立ちます。

  • コンセントを使って電気毛布や電気ヒーターで暖を取り、厳しい冬の寒さに耐える
  • スマートフォン、Ipad、カメラなどの充電
  • ジャンプスターター機能を使用して車のバッテリー自己復旧など

長時間の写真・動画撮影ができる

キャンプの様子などを撮影するために、ポータブル蓄電池をカメラへ繋ぎっぱなしにすれば、カメラのバッテリー交換・残量確認、予備バッテリー準備への心配がなくなります。

大容量のmicro SDカードを用意しておけば長時間撮影が可能になるでしょう。

 

ポータブル電源の選ぶ際のポイント

容量

ポータブル蓄電池は基本的にWh(1時間の消費電力)で表記されます。たとえば、電気毛布(約60W)を7時間使用する場合、約420Wh以上の容量が必要となります。

キャンプや車中泊でポータブル蓄電池を使用する場合、200~1,000Whがオススメです。

消費電力は、小型のキッチン用家電なら約39W以上、扇風機なら約30W以上など、電化製品によって異なるので、容量オーバーしないよう事前に確認して把握しておきましょう。

ただし、必ずしも表記された容量をフルで消費できるわけではありません。ポータブル蓄電池は直流電流(DC)なので、交流電流(AC)である電化製品に電気を流すには変換する必要があり、その変換効率によって実際使用できる容量が変化するからです。DC-AC変換効率は約70%~90%であることが多いです。

たとえば、車中泊で小型冷蔵庫(約50W)を容量500Whのポータブル蓄電池で使いたい場合、DC-AC変換効率80%では約8時間使用できますが、90%だと約9時間と1時間多く使用可能となります。

  • (500Wh÷50W)=10h
  • 80%:10h×0.8=8h
  • 90%:10h×0.9=9h

そのため、必要な容量を考える時は消費電力だけでなく、DC-AC変換効率もチェックしましょう。

定格出力

定格出力とは、ポータブル蓄電池が電化製品などへ、安全で安定な給電ができる最大出力のことです。

たとえば、定格出力が500W、消費電力800Wのように、使用する電気製品の消費電力が定格出力を超えた場合使用不可となります。

ポータブル蓄電池を選ぶ際には事前にどの製品に接続するか想定し、容量だけでなく定格出力も確認しましょう。

出力ポート

ポータブル蓄電池の主な出力ポートは以下の通りです。

ACポート

ACポートは家庭用コンセントに接続して使えるものであれば使用可能なポートです。そのため、扇風機、コーヒーメーカー、炊飯器など、ほとんどの家電製品に対応しています。

ポータブル蓄電池によってポート個数は異なりますが、アウトドアの場合2口以上あれば安心です。

DCポート

DCポートは車のシガーソケットを使う家電を接続することができます。

シガーソケットとは、たばこに火をつけるために備えられていましたが、近年は適切な電圧変換や接続端子変更することでスマートフォン充電用や家電接続用として利用されることが多いです。

車載専用の冷蔵庫や電気ポット、ハンディクリーナーなどの製品を接続する際に使用可能であり、災害時にも役立つので1口あると便利です。

USBポート

USBポートはスマートフォン・タブレット端末の充電ケーブルやUSBライトなどへの給電に使用可能です。中には急速充電対応やワイヤレス充電可能なものもあります。充電ケーブルは使用端末によってタイプが異なるため、購入希望である蓄電池のUSBポートに使用可能か事前にチェックしておきましょう。

出力波形

ポータブル蓄電池には、家電製品へ電気を流すためのDC-AC変換装置(インバーター)が内臓されています。インバーターから流れるAC電気は波打った形状から「波形」といわれています。波形の種類は以下の通りです。

正弦波

正弦波は、家庭用コンセントのAC電源から流れている、なめらかな曲線で規則正しい形状の電流波形です。そのため、ポータブル蓄電池のAC出力が正弦波であれば安心です。

矩形波と修正正弦波(疑似正弦波)

矩形波は直線的で角張った形状の電流波形であり、修正正弦波(疑似正弦波)は角があり階段のような形状の電流波形です。正弦波を真似して作られた波形なので「疑似正弦波」とも言われます。

両方とも正弦波よりも安価に入手できますが、コンピューターやモーターなどに接続すると故障の原因になる可能性があり、基本的に電球やホットプレートなど簡易的な家電製品しか使用できません。

電圧と周波数

日本のほとんどの電気製品は、家庭コンセントとポータブル蓄電池のAC出力ポート電圧・周波数に対応しています。日本の一般家庭コンセントは基本的に電圧は100Vであり、周波数は東日本が50Hz、西日本が60Hzです。

しかし、海外電化製品をポータブル電源のAC出力ポートに接続した場合、その製品の電圧・周波数が対応していない場合があります。周波数が合わないと、家電が使用できないだけでなく、故障する可能性が高くなるので、選ぶ際には電圧と周波数にも気をつけましょう。

充電方法

ポータブル蓄電池の主な充電方法は以下の通りです。

  • 家庭用コンセント(一般的)
  • ソーラーパネルから太陽光充電
  • 車のシガーソケットやカーインバーター

安全性

ポータブル蓄電池はバッテリーが内臓されているので、以下のものがあるかどうか事前にチェックすることで安全性を確かめましょう。

  • 電気用品安全法の技術基準適合製品認証マークである「PSEマーク」
  • 過給電など保護機能搭載
  • 保証・メーカーサポートなど

その他の便利な機能

ポータブル蓄電池には、アウトドア向けのたくさんの便利な機能が備わっています。

防水・防塵機能

キャンプや釣りなどのアウトドアで使う場合、防塵・防滴・防水性能の規格である「IP」を確認しましょう。

少しの雨や水しぶき、埃程度なら防塵・防滴性能でも心配ありませんが、地震や台風、ゲリラ豪雨といった大規模自然災害など、タフな使い方を想定している方には防水性能が高いものをオススメします。

ライト機能

LEDライトが搭載されたポータブル蓄電池であれば、わざわざライトなどを持っていく必要がなくなり、荷物が減ります。

また、点滅モードが搭載されている場合、緊急時の警告灯としても役立ちます。

ソーラー充電

ソーラーパネルが付いているポータブル蓄電池は太陽光で充電可能なので、充電切れを回避することができます。

しかし、家庭コンセントから充電するよりも時間がかかり、充電効率は高くないのでご注意ください。

アプリ連携機能

アプリ連携機能搭載のポータブル蓄電池は、遠隔でスマートフォンから出力スイッチのオンオフやライトの強さ・色を変化操作が可能です。

ジャンプスターター機能

ジャンプスターター機能とは、車のバッテリーが上がってしまっても自力でバッテリーを復旧できる便利な機能のことです。

ジャンプスターター機能搭載のポータブル蓄電池だと、非常時にもエンジンをかけることができ、車のバッテリーが上がってしまう不安を取り除くことができるでしょう。

パススルー機能

パススルー機能搭載のポータブル蓄電池の場合、接続している家電に給電しながら、同時にポータブル蓄電池本体に充電することができます。

しかし、パススルー機能は電池に負荷がかかるため、製品の使用上注意書きを確認しましょう。

 

便利で安全に使うポイント

ポータブル蓄電池をアウトドアでさらに便利に、安全に使うポイントは以下の通りです。

高温多湿や低温での長時間使用を避ける

ポータブル蓄電池は極度の高温多湿や低温の環境に弱く、電池に負担がかかります。なので、炎天下や雪山など悪条件のなかで長時間使用は極力避けましょう。

使用しない時は直射日光が当たらず、結露が発生しない風通しの良い場所に保管することをオススメします。

バッテリー残量に気を付ける

ポータブル蓄電池のバッテリー残量は、100%では蓄電池に負荷がかかり、0%では過放電状態になってしまいます。

そのため、長期間使用しない場合はバッテリー残量を30~80%程度に保管し、定期的に確認するようにしましょう。

廃棄方法を知っておく

ポータブル蓄電池に使用されているリチウムイオン電池は、基本的に燃えないゴミとして捨てられません。

廃棄方法として、家電量販店、ホームセンターなどに設置されているリサイクルボックスで回収してもらえることを知っておきましょう。

楽になる持ち運び方法がある

ポータブル蓄電池は大容量になると重量が10kg以上になるため、持ち運びするのが難しくなります。

しかし、メーカーによってはポータブル蓄電池の大きさに合わせて、片手・両手・肩掛けなどの持ち運び用収納ケースを販売しているので持ち運びが楽になります。

 

まとめ

アウトドアとポータブル蓄電池について解説してきました。以下まとめになります。

  • ポータブル蓄電池をアウトドアに持っていけば、コンセントがなくても野外で家電が使用でき、手間が省けていざという時非常に便利
  • 容量が100Whと表記されていても、DC-AC変換効率(約80%)があるので1時間100Wきっちり使えるわけではない
  • ポータブル蓄電池を選ぶ際、容量・性能・機能にこだわると重量と体積は大きくなり、高価格になるが、熱中症などのリスク回避などを考慮すると必要かもしれない

ポータブル蓄電池は荷物としてかさばり、価格も安くはないためアウトドアに向いていないのではと思うかもしれません。

しかし、通信機器の充電や熱中症などのリスク回避率増加など、いざという時に非常に役立ちます。

アウトドアの利便性、快適性を各段に向上させてくれるポータブル蓄電池をぜひこの機会に検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

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蓄電池コンシェルジュ代表
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