蓄電池の無料設置詐欺等の詐欺は年々増加している! 詐欺に合わないための解決策とは?

全国の消費生活センター等には据置型の家庭用蓄電池に関する相談が多く寄せられています。相談件数は年々増加し、2019年度には1,000件を超え、2020年度は1,314件になりました。詐欺の中には蓄電池を無料設置すると嘘の説明をするなど、大変悪質です。
今回は蓄電池無料設置などの詐欺について解説します。

悪質業者の要因といえる項目

悪質業者の要因といえる項目は以下の通りです。

・ライフスタイルに合わせた蓄電池の提案をしてくれない
・補助金に関する情報が正確でなく、申請がない、または申請を勧めない
・「太陽光発電設置者は蓄電池を必ず設置しないといけない」と事実ではない勧誘
・モニターなどでの極端な値引き
・一方的に説明し強引に契約しようとする
・工事や保証の範囲と年数を説明しないなど、説明不足で消費者が納得していないにもかかわらず、すぐに契約を迫る
・説明内容と実際の契約内容が異なる
・蓄電池の費用が高すぎる。相場価格からかけ離れている(販売価格=仕入れ価格+経費+利益)
・設置後のアフターフォローがない

安心して任せられる販売会社の条件

安心して任せられる販売会社の条件は以下の通りです。

・1,000件以上の販売施工実績があり、明記されている
・会社創立5年以上であり、しっかりとしたノウハウの蓄積がある
・いろいろな種類のメーカーを取り扱っている
・安さだけを売りにしていない
・相談窓口の対応が、何よりも誠実で気配りが行き届き、対応が丁寧である
・希望に合わせて何パターンか提案をしてくれる
・提案の中でデメリットもしっかり話してくれる
・ライフスタイルに合わせたシミュレーション結果を出してくれる
・現場調査の時に工事の概要をしっかり説明してくれる

実際にあった相談事例

実際にあった相談事例は以下の通りです。

嘘の説明で勧誘された

1つ目は「嘘の説明で勧誘された」ことです。

「市から委託された」という事業者が訪問し、無料点検を行ったところ以下のような説明をAさんは受けました。

・売電するための装置の一部が壊れている
・太陽光パネルが破損している可能性が高い
・国の補助金が出ているので、売電するための装置の修理をするよりも家庭用蓄電池を購入した方がいい

Aさんはその言葉を信じ、約200万円の家庭用蓄電池の契約をしました。しかし、後日訪問した工事担当者から売電するための装置は壊れておらず、部品もモーターも正常であると言われました。勧誘時の説明と異なり、事業者に対して不信感を持ったので解約したいがどうすればいいのか、という相談案件です。

嘘の説明で勧誘された

2つ目は「契約金額など十分な説明なく勧誘された」ことです。

Bさんの母親は10年前に太陽光パネルを設置しました。その当時の事業者が訪問し、母親は「家庭用蓄電池は40年持つから30年目で元が取れるし、災害時にも役立つ」と説明を受け、 家庭用蓄電池の契約をしました。
Bさんが母親から聞いた金額は150万円でしたが、ローンの契約書を見ると合計金額が約250万円になっており、差額の明細がわかりません。契約書では10年毎にメンテナンス費用が発生すると書いていますが、説明時にそんなことを言っていないと母親は言います。母親が契約の内容を十分に理解しないまま契約を結んだため、信頼できない事業者なので解約させたいという相談案件です。

今なら蓄電池を無料設置すると長時間訪問勧誘された

3つ目は「今なら蓄電池を無料設置すると長時間訪問勧誘された」ことです。

Cさんは太陽光パネルを設置しており、次の年に卒FITを迎える予定でした。訪問してきた事業者は「卒FIT後は売電価格が下がるから、家庭用蓄電池を設置したほうがいい。今なら工事費、設置費無料で、20年から30年は持つから元は取れる」と説明されました。
勧誘は4時間以上続き、契約しないと訪問者が帰らないのではと思ったCさんはクレジット契約で約330万円と高額な契約をしてしまいました。しかし後で心配になり、翌日クーリング・オフを申し出たものの、事業者から通知の送付は不要だなどと言われ、本当に解約できたのか不安であるという相談案件です。

今なら蓄電池を無料設置すると長時間訪問勧誘された

4つ目は「今なら蓄電池を無料設置すると長時間訪問勧誘された」ことです。

Dさんの家に訪問した事業者は以下のようなことを言いました。

・太陽光パネルを設置している家を回っている
・太陽光発電した電気を家庭用蓄電池に充電すれば無駄が少なく、災害にも強くなる
・自治体から補助金も出るからお得に買う事ができる
・自治体への補助金申請は事業者が行う

Dさんは家庭用蓄電池を契約し、補助金申請代行も信頼して任せました。しかし、いつまで待っても連絡がないため自治体に問い合わせたところ、「申請されていない。今からでは間に合わない」と回答されてしまいます。勧誘時の事業者の説明ほど家庭用蓄電池のメリットが感じられず、契約自体後悔しているがどうしたらいいのかという相談案件です。

相談事例からみる詐欺の特徴

相談事例からみる詐欺の特徴は以下の通りです。

契約のきっかけは突然の訪問や電話

1つ目は「契約のきっかけは突然の訪問や電話」です。

相談案件を見ると、契約のきっかけは主に事業者の突然の訪問が多いです。他に考えられるのは事業者からの電話やショッピングモールの催事で事業者から直接声をかけられたことなどでしょう。
突然「太陽光発電設備を無料点検する」等と訪問や電話をしてきて、点検後に家庭用蓄電池の契約を勧誘したり、「自治体から委託を受けている」等と虚偽の説明をしたりして、何もしらない相談者を騙しているようです。

断定的な説明や契約を急かす勧誘、長時間にわたる勧誘に冷静に対応できない

2つ目は「断定的な説明や契約を急かす勧誘、長時間にわたる勧誘に冷静に対応できない」ことです。

事業者の断定的な説明や強引な勧誘により、相談者は冷静に検討ができない状態で契約をしてしまう場合があります。
実際の電気使用状況によっては必ずしも事業者の説明通りになるとは限らないにもかかわらず、事業者からの断定的な説明を受けて家庭用蓄電池の契約をしてしまうようです。

断定的な説明例は以下の通りです。

・家庭用蓄電池の導入により電気料金が安くなる
・災害時も安心
・電気料金を抑えることで○年で元がとれる
・売電するよりも家庭用蓄電池を導入した方がよい

契約を急かす勧誘や長時間にわたる勧誘の説明例は以下の通りです。

・この価格は今日限り
・今なら工事費無料
・今なら蓄電池無料設置
・今ならモニター価格で提供

上記のような内容で、強引で執拗に長時間勧誘された相談者は「契約しないと帰ってくれない」という強迫観念が生まれ、冷静な検討ができないまま契約してしまいます。

契約後の設置工事や補助金をめぐるトラブル

3つ目は「契約後の設置工事や補助金をめぐるトラブル」です。

家庭用蓄電池の契約をしたものの、信頼できる事業者ではなかった場合に生じやすいトラブルは以下の通りです。

・設置工事が着工されない
・設置場所や設置方法が思っていたものと違う
・国や自治体の補助金について事業者が必要な手続きをせず、補助金を受け取れない

蓄電池詐欺にあわないために注意すべきこと

蓄電池詐欺にあわないために注意すべきことは以下の通りです。

事業者名や目的等をしっかり確認する

1つ目は「事業者名や目的等をしっかり確認する」ことです。

特定商取引に関する法律(以下、特商法)では、事業者が訪問販売を行う時、勧誘に先立ち、消費者に対して、事業者の氏名(名称)、契約の締結について勧誘する目的である旨、販売しようとする商品(権利、役務)の種類を告げなければならないと定められています(特商法第3条)。そのため、突然の訪問を受けた場合、事業者名や目的などをしっかり確認しましょう。これらの項目を告げないなど不審点がある場合や、契約するつもりがない場合はきっぱりと断りましょう。
特商法の訪問販売に該当する場合には、契約についてクーリング・オフを行うことが可能です。
クーリング・オフは、消費者が訪問販売などの不意打ち的な取引で契約したり、マルチ商法などの複雑でリスクが高い取引で契約したりした場合に、一定期間であれば無条件で、一方的に契約を解除できる制度です。

訪問販売(キャッチセールス、アポイントメントセールス等を含む)の場合は契約締結から8日間以内が原則です。ハガキに契約解除の旨を書き、契約内容、契約者等を明記して販売会社(クレジット契約の場合は信販会社にも同時)に通知します。コピーを取り保管することを忘れないようにしましょう。

不安に思った場合やトラブルになった場合には、一人で悩まず最寄りの消費生活センター等に相談しましょう。

メリットだけでなくコストも考慮する

2つ目は「メリットだけでなくコストも考慮する」ことです。

家庭用蓄電池を導入すれば電気代は安くなりますが、導入には購入費用や設置工事費用等の初期費用が発生します。
契約する場合、メリットだけを見るのではなくコストも十分に考慮した上で慎重に検討しましょう。

自身でも情報収集し、総合的に判断する

3つ目は「自身でも情報収集し、総合的に判断する」ことです。

太陽光発電と蓄電池を組み合わせると、自家消費する方法と電力会社に余剰電力を売電する方法があります。どの方法がより経済的なメリットがあるのかは、電気料金や家庭用蓄電池などの価格および小売電気事業者等の買い取りメニューによって異なります。
また家庭用蓄電池は「災害時に活用できる」といったメリットがありますが、経済価値に直接換算することのみで判断するのは難しいです。そのため、「固定価格での買取期間満了後は売電するより家庭用蓄電池を導入して自家消費する方がよい」等と事業者に説明されても鵜呑みにせず、自身でも情報収集し、複数社から相見積もりを行ったうえで、総合的に判断するようにしましょう。

自身でも情報収集し、総合的に判断する

4つ目は「自身でも情報収集し、総合的に判断する」ことです。

契約する前に、事前に見積書や家庭用蓄電池の仕様、設置工事、補助金申請の手続き等の流れや詳細を十分に確認しましょう。また、訪問販売の場合、事業者は消費者に法定の契約書面を交付する必要があります。契約する際は必ず契約書面を受け取り、その内容についてもしっかり確認しましょう。

まとめ

蓄電池の無料設置などの詐欺について解説してきました。以下、まとめになります。

・消費生活センターへの家庭用蓄電池に関する相談は多く寄せられている
・契約のきっかけは突然の強引で長時間に渡る執拗な訪問販売が多い
・騙されないためには契約内容をよく確認して、自分自身で情報収集し、総合的に判断することが大事

蓄電池は年々安くはなっていますが、簡単に購入できるほど安価なものではありません。無料で今だけ設置しますという突然の訪問業者や電話、店頭での接客で言われた場合、警戒しましょう。事前に自分で蓄電池について調べ、メリットやコスト、契約する電力会社など検討した上で、本当に自分には蓄電池が必要なのか総合的に判断するのがオススメです。詐欺かもしれないと思ったら「考えさせてください」と保留にするのもありです。怪しいなと思ったら、ぜひこの記事を参考にしてください。

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蓄電池コンシェルジュ代表
根上 幸久

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