蓄電池と発電機の違いとは? メリット・デメリットで比較してみた!

太陽光発電と組み合わせることで電気を蓄え、自家消費することができる蓄電池。蓄電池は一般家庭だけでなく、スーパーなどの大型施設などにも設置されています。大容量の蓄電池を選ぶ場合、据え置き型が多く、持ち運びすることが手軽に行えません。レジャー活動や花見などのイベント、庭でちょっとした工具を使いたい場合には、燃料さえあればその場で電気を作り出せる発電機があります。発電機は重たいものも多いですが、ちょっと電気を使う程度であれば持ち運びができるものもあり、蓄電池よりも安く導入できます。
電気を取り扱う点においては、蓄電池と発電機は共通点があります。では、その違いは一体何なのでしょうか。
今回は蓄電池と発電機の違いについて解説します。

発電機とは

発電機とは「電力を作り出す機械」のことです。アウトドア用の持ち運びができるポータブル用のものから、病院やオフィスなどの非常用の電源として機能するような大型のものまで様々なものがあります。発電機は軽油やガソリン、カセットボンベのガスなどの燃料をもとに、電力が必要なときに稼働させて電力を生み出します。

以前は屋外で利用する方が多かったのですが、最近は自宅に導入する方が増えています。その理由として以下のことが考えられます。
・ポータブルから本格的な備え付けまで、発電機の種類が豊富になったから
・一般家庭にも取り入れやすくなったから
・防災や環境への意識が高まってきたから

災害時の長期間停電において、電気の存在は非常に重要になってきます。災害を乗り切るためには電気を作れる環境が必要となってくるでしょう。そのため、防災対策の一つとして発電機を備えておくと良いでしょう。

発電機の種類

家庭用の発電機の種類は以下の通りです。

手動式発電機

燃料がなくても使える手動式発電機は、ラジオや携帯などの充電に活用できます。コンセントが使えなくても発電できるのですが、ハンドルやペダルを手や足など人力で動かして発電させる仕組みとなっています。価格は、手動式なら1万円程度、ペダル式は3万円台で販売されています。ハンドルやペダルを動かしている間しか発電できないため、長時間の発電には向いていません。また、電力量が小さく、最大でも100W程度しか発電しません。使える家電は携帯やラジオ、タブレット、照明など、消費電力の少ないものに限られています。

燃料式発電機

燃料式発電機とは、ガソリンやカセットガスボンベを使って電気をつくる機器です。屋外に設置し、延長コードを自宅内まで引けば、家電にも接続できます。価格は機種によって異なりますが、約5万~10万円程度です。安定して電気をつくり出す能力があるため、さまざまな家電に対応できます。ただし稼働音が大きく、使用後に燃料を抜くといった手入れが必要となります。

発電機のメリット

発電機のメリットは以下の通りです。

容量のラインナップが豊富

発電機の1つ目のメリットは「容量のラインナップが豊富」であることです。

発電機は、1,000W以下の小型ポータブルタイプから3,000W以上の大出力まで、用途に応じた出力の製品がラインナップされているため、非常に選びやすいです。
屋外でのちょっとした工具を使う場合は1,000W以下で十分です。出力の大きい発電機だと、停電時に家全体で必要な電力をまかなう事も可能で、発電機1つで冷蔵庫を動かすこともできます。工事現場でも使用できる頑丈さもあり、商品によっては200Vも使用可能なので電気自動車の給電にも使えます。

値段が安い

発電機の2つ目のメリットは「値段が安い」ことです。

発電機は蓄電池に比べると導入費用はかなり安く抑えることが可能です。大きさによって値段が異なりますが、同じ出力の蓄電池と比べても半額かそれ以下で導入もできます。設置工事も不要ですので、その費用分も安く済ますことができます。900Wの小型のものであれば、5万円程度で購入する事ができるでしょう。

発電機のデメリット

発電機のデメリットは以下の通りです。

一人では持てないくらいに重い

発電機の1つ目のデメリットは「一人では持てないくらいに重い」ことです。

発電機は出力が小さいものでも20kg以上します。特に家庭で非常用電源として使用する2,000W以上の出力を持つものになると50~60kgほどあるため、大人の男性2人で持ち運ばなければならないほど重たいです。
発電機は設置に特別な工事が必要ないため、ネット通販でも容易に手に入れることができます。そのため、発電機が一人で持てないくらいの重さと知らずに購入し、運べなくて困るというケースが多いようです。

稼働に燃料が必要であり、排気ガスや一酸化炭素が出る

発電機の2つ目のデメリットは「稼働に燃料が必要であり、排気ガスや一酸化炭素が出る」ことです。

発電機は、燃料にガスやガソリンを使うために排気ガスが出てしまいます。そのため、屋内や地下などの密閉された空間で使用する場合、一酸化炭素中毒にならないよう、充分に換気を行いましょう。

燃料の保管や取り扱いに注意が必要

発電機の3つ目のデメリットは「燃料の保管や取り扱いに注意が必要」であることです。

発電機の燃料は軽油やガソリンなどです。ガソリンは揮発性が高く、容器の保管場所や保管状況に注意を払っておかないと引火し、火災が発生してしまう危険性が高いです。そのため、ガソリンは必ず専用の容器に保管しましょう。
また、これらの燃料は長期間の保存に向いていないため、ガソリン式の発電機は非常時の備えとしてあまり向いていないかもしれません。

燃料の量に対して発電効率が低い

発電機の4つ目のデメリットは「燃料の量に対して発電効率が低い」ことです。

発電機はアウトドアなどの使用を想定して作られているので、燃料の効率という点においてあまり考えられていません。そのため、カセットガス缶1本で1~2時間ぐらいしか発電しないものも多く、長時間の使用にはあまり向いておらず、燃費がかなり悪いです。

蓄電池とは

蓄電池とは「他のところで作られた電力を蓄えておく機器」です。蓄電池は自力で電気を作り出すことはできません。そのため家庭用のコンセントと接続して蓄電したり、またはその他の電力源と接続して蓄電したりしながら、内部に電力を蓄えるという仕組みです。太陽光発電システムで発電した電気や、電力会社から買った料金の安い深夜電力を蓄えて使うことで、電気代の節約効果が得られます。また、災害による停電などに対する非常用電源として使用することもできます。

蓄電池のメリット

蓄電池のメリットは以下の通りになります。

太陽光発電と組み合わせるとお得

1つ目の蓄電池のメリットは「太陽光発電と組み合わせるとお得」なことです。

太陽光発電は電気を発電することはできますが、蓄電することはできません。そのため、余った電気を電力会社に固定価格で買い取ってもらう(FIT)制度を利用するのですが、このFITは10年で終了してしまいます。また、電力会社から電気を受け取る電気代は年々高くなっています。FIT終了後、安くなった余剰電力を自家消費型に切り替えることで、電力会社から電気を極力買わずに済みますので、電気代削減に繋がります。更に、停電時にも普段と変わらない状態で電気のある生活を送る事ができます。

使う時に手間がかからない

2つ目の蓄電池のメリットは「使う時に手間がかからない」ことです。

発電機の場合、使用する度に重たい本体をわざわざ持ち出し、燃料を入れる必要がありますが、蓄電池は停電時にも自動で切り替わるため、使う時に手間がかかりません。

蓄電池のデメリット

蓄電池のデメリットは以下の通りになります。

蓄電池単体では費用対効果が低い

1つ目の蓄電池のデメリットは「蓄電池単体では費用対効果が低い」ことです。

そのため、蓄電池は太陽光発電を設置してから10年以上経過した一般家庭の余剰電力の使い道として設置されるケースが多いです。蓄電池と太陽光発電をセットで導入することで、完全な自家発電自家消費を行うことができ、電力会社から電気を極力買うことがなくなるでしょう。

初期費用が高い

2つ目の蓄電池のデメリットは「初期費用が高い」ことです。

蓄電池の導入にはどんなに安くても100万円前後が必要となります。年々安くなってきているとはいえ、それでも気軽に手が出せる金額ではありません。太陽光発電でローンが残っているので新たに蓄電池のローンを組むのは難しいというケースが発生する可能性があります。

発電機と蓄電池の違い

発電機と蓄電池の違いは以下の通りです。

発電機:電力を蓄えることはできないが、電力が供給されていない場所で電力を作り出すことができる
蓄電池:自力で電力を作り出すことはできないが、太陽光発電など他のところで作られた電力を蓄えることができる

発電機と蓄電池のどちらがオススメか

発電機と蓄電池のどちらがオススメか、それは時と場合によります。

屋外で電気器具を使う場合

屋外で電気器具を使う場合、発電機の方がオススメです。発電機は電力供給のない場所でもその場に必要な分だけ電力を作り出すことができ、また小型の発電機は持ち運びしやすく便利です。しかし、500W程度の容量が小さいものはドライヤー・炊飯器・電気ヒーターなど熱器具は使用できません。

災害や停電の場合

災害や停電の場合、発生した期間の長さにより、どちらがいいのか変わってきます。
たとえば、1日以内で電気が復旧する前提で考えた場合、発電機の方が費用も安いので買い求めやすいです。しかし、停電が長期化すると発電機は燃費が悪すぎて不利になってしまいます。
1日以上続く長期間の停電であれば、大容量の電力を蓄えておける蓄電池のほうがオススメです。
また、太陽光発電を既に設置している、もしくは今後設置する予定がある場合、電気代節約効果や長期間の停電時にも継ぎ足し充電しながら電気を使い続けられる蓄電池の方がオススメです。

まとめ

蓄電池と発電機の違いについて解説してきました。以下、まとめになります。

・電力を「蓄える」か「作るか」が蓄電池と発電機の違い
・発電機は容量が大きいと一人で持てないほど重く、燃料の量に対して発電効率が低い
・蓄電池は電気を蓄える事ができるので非常用電源として頼もしいが、導入費用が高い

アウトドアなど短時間で活用する場合は、発電機の方が費用も安く抑えられます。しかし、長期間の停電時の非常用電源としては、太陽光発電と組み合わせることができる蓄電池の方が向いているといえるでしょう。可能であれば一つの方法に頼らず、蓄電池だけでなく、安い小型の発電機も同時に導入するなど、いくつかの選択肢を持っておくのがベストなのかもしれません。上手に活用することで、蓄電池と発電機は私たちの生活をより豊かにしてくれるでしょう。

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蓄電池コンシェルジュは、蓄電池を購入しようとお考えの方々に、蓄電池を活かした暮らしをするための上質なコンシェルジュサービスをご提供しております。再生可能エネルギーに理解のある方々にご利用頂くことが「脱炭素社会」実現へのカギとなります。蓄電池コンシェルジュは、文化的、社会的資産を後世に引き継ぎ、社会的責任としての取組みのみならず、日本の人口減少と地球温暖化の危機を救うためのお手伝いをさせて頂いております。

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蓄電池コンシェルジュ代表
根上 幸久

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