蓄電池は今買うべきか? 蓄電池の販売台数が年々増え続けている2つの理由とは

蓄電池の販売台数は年々増加しており、今後の住宅設備として欲しいものアンケート結果でも上位に食い込んでいます。蓄電池は注目されはじめてからまだ数年しか経っておらず、電気代の節約や停電時対策として導入されています。蓄電池が気になるがいつ買えばいいのか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
今回は蓄電池を今買うべきかについて解説します。

蓄電池の販売台数が年々増えている理由

蓄電池の販売台数は2019年で12万台、2020年で14万台と大幅に需要が伸びています。2025年には太陽光発電と蓄電池を組み合わせた状態の新築と既築を合わせて25万台、2030年には33万台になると推定されています。
蓄電池の販売台数が年々増えている理由は以下の通りです。

災害時の安心が手に入る

1つ目は「災害時の安心が手に入る」からです。

近年の気候変動の影響等による気候の急激な変化や自然災害の頻発化により、「防災対策としての電力確保への意識の高まり」から、「自然災害への備え」として住宅用設置型蓄電池に注目が集まっているようです。

ハイブリッド型蓄電システムの販売を行う株式会社リミックスポイントは 2021年7月20日、21日に「頻発化する自然災害への“備え”としての住宅用設置型蓄電池に関するアンケート調査」を行いました。
アンケートによると、日本全国20歳~69歳の男女1,000人中、75.9%が災害時に非常用電源として住宅用設置型蓄電池が必要と答えました。自然災害への対策意識が高まっている人に絞れば83.9%と、対策への意識が高い人ほど住宅用設置型蓄電池を重要視しているようです。
この結果から、蓄電池のメリットとして災害時の安心が手に入ることだと考える人が増えつつあることが分かります。

蓄電池本体の価格(/kWh)が年々安くなってきている

2つ目は「蓄電池本体の価格(/kWh)が年々安くなってきている」からです。

第4回エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス検討会(ERAB検討会)において、2020年のVPP(Virtual Power Plant)の自立化を目指した定置用蓄電池の価格の考え方は以下のように提示されました。

 (2015年度)

実績価格

(2020年度)

目標価格

目標価格の考え方
kWh用蓄電池

(主に家庭用)

約22万円/kWh9万円/kWh以下住宅用太陽光の余剰買取期間を終了した需要家が、太陽光電気の自家消費の拡大により、15年程度で投資回収可能。
kW用蓄電池

(主に産業用)

約36万円/kW15万円/kW以下ピークカットによる契約電力削減により、7年程度で投資回収可能。

目標価格は以下のようになります。

 2016年(kWh)2017年(kWh)2018年(kWh)2019年(kWh)2020年(kWh)
家庭用寿命10年20万円15万円12万円9万円6万円
寿命15年 22.5万円18万円13.5万円9万円
産業用35万円25万円22万円19万円15万円

目標価格の対象は、工事費を除く蓄電システム本体機器のエンドユーザー価格です。蓄電池設置費用は「本体価格+設置工事費用+電気系統の工事費」ですのでご注意ください。

例えば、蓄電容量が10kWhの場合、2016年と2020年を比べると140万円も安くなっています。
2016年:20×10=200万円
2020年:6×10=60万円

このように、蓄電池の値段は年々下がりつつあります。補助金などを利用すればさらに安く購入できるでしょう。

蓄電池を買うメリット

蓄電池を買うメリットは以下の通りです。

太陽光発電とセットで電気代節約とダブル発電ができる

1つ目は「太陽光発電とセットで電気代節約とダブル発電ができる」ことです。

電気代節約

日中に発電した電気を自家消費し、余剰電力を蓄電池に貯め、夜間などに使うことで電気代節約になります。蓄電池の電力を使い切っても足りない場合、夜の電気代が安くなる電力プランにしておけば、安く電気を買う事ができるので電気代節約に繋がります。

ダブル発電

電気料金が安い夜間の時間帯に電気を蓄電して、貯めた電力を昼間に使用することで、太陽光発電設備で発電した電力を使わずに売電量を増やすことをダブル発電といいます。

2018年までダブル発電は「押し上げ効果」により発電量が増加するためシングル発電に比べ買取価格が下がっていました。
しかし2019年度からは売電価格が家庭用電気料金並みに下がったことによって売電するメリットが小さくなり、シングル発電もダブル発電も売電単価が同等になりました。
売電単価が同じでもダブル発電だと売電量が多くなるため、結果的に売電収入が増えてお得です。

災害時に電気のある生活ができる

2つ目は「災害時に電気のある生活ができる」ことです。

蓄電池を災害などの停電時に使用する場合、容量4kWh以上を選ぶことをおすすめします。停電時の1日の消費電力が約4kWhといわれていますので、容量4kWh以上の蓄電池なら少なくとも1日分の電力を確保できるでしょう。容量だけでなく、最大出力が大きいほど同時に様々な家電製品を使うことができますので、購入時には両方確認しましょう。

また、蓄電池には全負荷型(停電時に家中の電気を使える)と特定負荷型(一部の部屋でしか電気が使えない)があります。

同じ蓄電池でも使用電化製品によって使用時間は異なる

同じ蓄電池でも使用する電化製品によって電力を使える時間は異なります。
たとえば、5kWh蓄電池を停電中に使用電化製品を最低限にした特定負荷型と、普段通りに使用する全負荷型に分けた場合以下のようになります。

使用電化製品を最低限にした特定負荷型
使用する電化製品1時間当たりの消費電力1日の消費電力
冷蔵庫33W792W
LED電球照明80W(2部屋分)400W
テレビ150W450W
携帯充電器15W60W
合計1,702W

電力使用可能時間=5,000Wh÷1,702W=2.93日
よって、5kWhの特定負荷型蓄電池で約3日分耐えることができるでしょう。

 

普段通りに使用する全負荷型
使用する電化製品1時間当たりの消費電力1日の使用時間1日の消費電力
冷蔵庫33W24h792W
LED電球照明80W(2部屋分)5h400W
テレビ150W3h450W
携帯充電器15W4h60W
パソコン100W5h500W
炊飯器150W1h150W
エアコン500W3h1,500W
合計3,852W

電力使用可能時間=5,000Wh÷3,852W=1.29日
よって5kWhの全負荷型蓄電池で約1.3日耐えることができるでしょう。

蓄電池導入に不向きなケース

蓄電池導入に不向きなケースは以下の通りです。

太陽光発電とオール電化住宅を導入していない

1つ目は「太陽光発電とオール電化住宅を導入していない」ケースです。

太陽光発電とオール電化住宅を導入していない、または特に導入する予定がない場合は蓄電池の必要性は薄くなります。最大限に有効活用するなら太陽光発電との併用やオール電化住宅など、設置環境が重要となるからです。

もちろん蓄電池単体でも非常に役立ちます。深夜電力など特定の時間帯に電気料金が安くなるプランを契約している場合や停電対策として導入したい場合、蓄電池はオススメといえます。何故なら、電気料金が安い時間帯に蓄電池へ電力を貯めることで、高額な時間帯での電気使用を回避できるからです。

売電報酬を目的としている

2つ目は「売電報酬を目的としている」ケースです。

太陽光発電購入を検討中の方には、蓄電池を設置すれば売電収入が高くなると考えている方がいるかもしれません。しかし、蓄電池を設置しただけでは発電量自体は変わりません。

また、2021年以降は売電よりも自家消費した方がお得とされています。
2021年の家庭向け電気料金プランの平均単価は25円/kWhであり、FITの売電単価は19円/kWh、卒FIT後の売電価格は10円前後と明らかに電気料金単価の方が高いです。そのため、家庭内で発電した電気を使う方が安く電気を使えます。

蓄電池にUPS機能があると勘違いしている

3つ目は「蓄電池にUPS機能があると勘違いしている」ケースです。

蓄電池はUPSの上位互換であり、UPS機能があると勘違いしている人もいるかもしれません。
停電などで電力供給が途切れた場合、蓄電池だけでは切り替わるまで一瞬の間が生まれるため、その隙にPCなどの電源が切れて強制終了となってしまいます。
UPSはあらかじめ接続しておき、電力を数十分ほど供給してくれます。その間にPCのデータなどを保存したり、安全にシャットダウンするなどの時間稼ぎという役割を担っています。

蓄電池とUPSの違い
蓄電池停電時でもPCや家電などを数時間以上利用できる
UPSPCなどを安全にシャットダウンするまでの時間を稼ぐもの

蓄電池を導入するタイミング

蓄電池を導入するタイミングは以下の通りです。

太陽光発電を設置する時

蓄電池を導入するタイミングは太陽光発電を設置する時です。
太陽光発電と蓄電池を同時に設置する場合、それぞれのパワーコンディショナーが必要となります。メーカーによって違いますが、パワーコンディショナーは約20~30万円程度です。ハイブリッド型蓄電池を購入すれば、パワーコンディショナーは1つで済みますので、その分設置する費用を抑えることができます。

太陽光発電のパワーコンディショナーの交換時期

太陽光発電のパワーコンディショナーの寿命はメーカーによって違いますが、約10年~15年ぐらいです。既に太陽光発電を設置してから10年以上経っている場合、ハイブリッド型蓄電池を導入すれば新たに太陽光発電用のパワーコンディショナーを買う必要が無くなります。

まとめ

蓄電池を今買うべきかどうかを解説してきました。以下、まとめになります。

・蓄電池の販売台数が伸び続けている理由は防災への備えの意識の高まりと蓄電池本体価格が年々安くなってきているから
・太陽光発電と蓄電池の組み合わせは自家消費で電気代節約ができ、ダブル発電で売電収入を増加させる
・蓄電池を買うタイミングは太陽光発電を購入する時か、既存の太陽光発電のパワコン交換時期

電気代が高騰し続ける中、太陽光発電と蓄電池を組み合わせれば自家消費・ダブル発電でお得に乗り越えることができます。蓄電池だけでも夜間の安い電気代を貯めて、電気代の高い日中に使うことで節約することができます。
日本は災害大国ですので、いつ災害による長期停電が発生するかわかりません。蓄電池があれば数日間、自宅や車の中で過ごすことができますので、避難所生活で新型コロナウイスルにかかる可能性は低くなります。
そう考えると、蓄電池を買うべきタイミングは「今」です。ぜひこの機会に蓄電池購入を検討してみてはいかがでしょうか。

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蓄電池コンシェルジュは、蓄電池を購入しようとお考えの方々に、蓄電池を活かした暮らしをするための上質なコンシェルジュサービスをご提供しております。再生可能エネルギーに理解のある方々にご利用頂くことが「脱炭素社会」実現へのカギとなります。蓄電池コンシェルジュは、文化的、社会的資産を後世に引き継ぎ、社会的責任としての取組みのみならず、日本の人口減少と地球温暖化の危機を救うためのお手伝いをさせて頂いております。

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蓄電池コンシェルジュ代表
根上 幸久

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