蓄電池の設置業者を見極める6つのポイント!導入後に起こるトラブルの実例も紹介

災害時の非常用電源や太陽光発電と連携した自家消費などから注目され始めている蓄電池ですが、住宅と連携するタイプは小型蓄電池と異なり、施工・販売業者に相談しなければなりません。
蓄電池ユニットは本体価格だけでなく、設置に関する費用と電気系統に関する費用を合わせて合計100万円以上はかかります。費用を少しでも抑えるためには、設置業者を見極める必要があります。新しい技術や商品を導入した製品や業界には、必ずといっていいほど悪質な業者が出てきます。全ての被害を防ぐことは難しく、蓄電池でも相場を超える高い見積もりや手抜き工事など、業者の見極めに失敗すると騙される可能性もあります。騙されないためには、購入者側が実績ある蓄電池設置業者や優良な業者探しを行い、比較検討する必要があります。
今回は蓄電池の販売・設置業者を選ぶポイントや悪質業者の特徴などを解説していきます。

蓄電池設置業者の選び方

蓄電池は長期間活用し、また値段も高いです。そのため、設置業者を慎重に選ばなければ、悪質な業者に騙されてしまう可能性もあります。そうならないために、設置業者の選び方のポイントは6つです。

①正しい見積もりやシミュレーションを提示、説明できるか
②設置工事の品質の高さ
③家庭に最適な蓄電池を提案してくれるか
④費用が相場より異なりすぎないか
⑤保証制度やアフターメンテナンスがあるか
⑥内容に虚偽が含まれていないか

①正しい見積もりやシミュレーションを提示、説明できるか

蓄電池は気軽に購入できるものではありません。そのため、販売や施工業者に見積もりと蓄電池を使用した際のシミュレーションを提示してもらいましょう。
蓄電池設置業者から提示される見積もり項目は、主に以下の通りです。
• 蓄電池本体の費用
• 各部材の費用
• 施工費用
• 電気工事の費用

他にも細かく費用項目を記載していることも多いですが、極端に費用を上乗せしている項目が無いか確認しましょう。シミュレーションや見積もりと比べ、実際の設置にかかる費用や得られる効果に差があると、蓄電池導入後に後悔することにもなりかねません。そのため、業者の実績を確認した上で、シミュレーションや見積もりの正確度を重要視するのがいいでしょう。
また、1つの業者だけでなく、複数の業者に見積もり依頼する相見積もりも大切です。
契約内容から施工スケジュール、費用内訳など、1から丁寧に進め、検討する時間を設けてくれる施工業者を探すのがオススメです。

②設置工事の品質の高さ

施工業者の品質を判断するポイントは2つです。

・業者の中に施工部門がある
・施工に関する知識やノウハウがある

施工部門がある設置業者でも、施工に関する知識やノウハウが浅ければ高品質な施工はできないでしょう。もし品質の低い施工業者に頼んだ場合、雨漏りや配線の不具合といったトラブルに繋がる可能性があります。

知識やノウハウがあっても、中に施工部門がない場合は外注する事になるため、外注先とのトラブルや別途施工が必要になるなど、スムーズに蓄電池を導入できない可能性もあります。
蓄電池設置には、複雑な電気配線工事や土台の基礎工事まで発生するリフォーム並みの工事が行われます。業者が電気工事士の資格を有しているか、メーカーで講習を受けた者だけが持つ施工IDがあるかを確認するのがいいでしょう。

施工部門がある自社一貫型施工の場合、その家に適した蓄電池の種類や設置工事の方法を提案、蓄電池設置後のイメージを分かりやすく提示してくれるかをチェックしましょう。自社一貫型施工は外注手数料がかからないため、他と比較すると安い価格で蓄電池の設置工事を行ってもらえる可能性があります。また、アフターサービスや保証内容も充実している所が多いため、導入後も安心して蓄電池を使用する事ができます。
蓄電池設置業者を探す時は、実績が目安1,000件以上で、少なくとも5年や6年以上経営を続けている業者から検討するのもおすすめです。施工スキルを見極めるためにも、蓄電池設置業者の企業サイトへアクセスし、企業概要や設置件数・取り扱いメーカーの豊富さ、設置の流れや施工途中の写真なども掲載しているか確認するのがいいでしょう。

③家庭に最適な蓄電池を提案してくれるか

蓄電池はメーカー毎に機能や価格、保証内容などが異なります。そのため、導入する際はいくつかのメーカーの蓄電池を比較したうえで検討しましょう。
販売施工業者は2種類あります。

・特定のメーカー蓄電池のみ取り扱っている
・複数のメーカー蓄電池を取り扱っている

蓄電池の取扱数が少ない場合、希望に適した蓄電池を提案してもらえない、条件を満たしていない蓄電池を勧められる可能性があります。そのため、いくつかのメーカーの蓄電池を比較して、もっともその家庭に適した蓄電池が提案可能で、なおかつ複数のメーカーを取り扱っている販売施工業者のチェックをお勧めします。

④費用が相場より異なりすぎないか

蓄電池の販売価格や施工費用が相場より高すぎないか、低すぎないかを導入する前に必ず確認しておきましょう。損をしないために、相場をリサーチする、他の業者から見積もりを取るなどして、業者から提示された見積価格が適正かどうか判断できるようになっておく必要があります。

⑤保証制度やアフターメンテナンスがあるか

蓄電池はメーカー保証としてだいたい10年間保証がついている場合が多いです。その他に蓄電池を長期的に安心して使用するため、メンテナンスやアフターフォローが充実している販売施工業者を選びましょう。保証内容やメンテナンス、アフターフォローの内容は業者によって異なるため、サービス内容だけでなく、保証期間についても確認する必要がありますのでご注意ください。

⑥内容に虚偽が含まれていないか

蓄電池設置業者の中には、「今買わないと損をします」と根拠のない説明で購入を煽る悪質な者もいます。見極めるためには、担当者の態度や言葉遣い、説明方法や内容に注意しながら聞くのが大切です。

悪質な蓄電池設置業者の特徴

悪質な蓄電池設置業者の特徴は5つです。

①契約や見積もり費用の内訳・補助金制度などに関する重要な内容をあえて説明しない、はぐらかす
②「蓄電池は儲けられるが太陽光発電のみでは損をしてしまいます。しかし、私達の見積もり費用は最も安く、電気料金を必ず希望通り削減でき、卒FIT問題を解決するには蓄電池しかありませんよ」とリスクについての説明などはせず、不安を煽るだけの根拠のないセールストークをしてくる
③購入者の都合を無視し、利益最優先でその日に契約を済ませようとする
④現場調査も行わず見積もりを作成する
⑤見積もりの中に部材の価格や施工内容などの詳細を省略し、記載しない

蓄電池での失敗事例

蓄電池の販売・設置業者を見極めきれずに失敗した、よくある事例を3つ紹介します。

①高額契約をしてしまった
②ハイブリッド蓄電池にしたら発電量が低下した
③設置場所が想定外の場所になった

①高額契約をしてしまった

いざ設置してみたが、使わない機能がついていて、相場より高かったと後で分かった場合です。この場合、以下の点に注意すれば未然に防げたのではないでしょうか。

・初期費用に蓄電池本体価格以外に何か含まれているのか
・自分の電気の使い方に見合った容量で必要な機能であるのか
・利用できる補助金やローンの説明をうけたのか
・相見積もりをしたのか

契約する前に、自分達が普段使っている電気はどれくらいなのかシミュレーションし、蓄電池についてある程度知識を持っておくのも必要かもしれません。業者の言葉だけを鵜呑みにせず、自分で考えて本当に必要かどうかを決断しましょう。

②ハイブリッド蓄電池にしたら発電量が低下した

太陽光発電のパワーコンディショナが故障したので、ハイブリッド型蓄電池を設置したら太陽光の発電量が低下してしまったというのは、発生事例としてよくある問題でしょう。
この場合、以下の点に気を付ければ未然に防げたのかもしれません。

・業者は現地調査をし、既存のパワコンが何回路数対応か確認していたか
・業者はパワコンごとに対応回路数に上限がある事を知っていたか
・新しいパワコンが既設のパワコンの回路数に満たない場合、その差の回路分が行先を失い、発電量が低くなるのを知っていたか

きちんと太陽光発電に対して知識がある業者ならば、現地調査をして回路設計の確認を行い、各家庭に合った提案をしているはずです。本来なら購入の検討段階で設置場所、設置方法などの確認のため業者が現地に赴き、調査するはずですので、それを行わない業者は怪しいと思った方がいいでしょう。

③設置場所が想定外の場所になった

大容量の蓄電池を購入してみたが、設置場所が玄関の土間しか置くスペースがないことがわかり、困った場合です。この場合、以下の点に注意すれば未然に防げたかもしれません。

・相見積もりを行ったが、シミュレーションを出してもらっても価格や機能面にばかり気を取られ、肝心な蓄電池のサイズや設置場所にまで気が回らなかった
・希望する設置場所に蓄電池を置けるかどうかを業者と確認しなかった

蓄電池の設置場所は、将来メンテナンス作業ができるよう、周囲1mの点検スペースが確保できるか、また消防法による浸水や転倒、落下の衝撃はないかなどの規制をクリアできている必要があります。蓄電池は高温多湿に弱いため、直射日光が当たる場所や湿度の高い場所は避けるなど、事前に業者とどこに設置すればベストなのかを話し合いましょう。

まとめ

蓄電池導入時に気を付ける設置業者のポイントについて解説してきました。以下、まとめになります。

・見積もりやシミュレーションの内容が正確であるかどうか見極めるため、費用の相場などあらかじめ蓄電池に関する知識を取り入れておく
・施工実績や高品質かは、自分で口コミやHPを検索し、調べてから比較検討する
・メリット・リスク・見積もり詳細・シミュレーションを詳しく説明できない業者は怪しい

蓄電池の購入や設置業者はトラブルが発生した場合に備えて、保証制度やアフターフォローが充実している業者を見極めるため、慎重に選びましょう。見極めるポイントとして、見積もりやシミュレーション段階で利益だけでなくリスクもしっかりと説明してくれるかどうか、導入・施工費用が大幅に相場より低く(高く)ないかを確認するのが良いでしょう。
また、見積もりで提示される金額やメリットだけでなく、相談した際の業者の対応も要チェックです。
蓄電池の失敗・トラブルは実際に導入した後に起こります。後悔しないよう、業者に相談する前に、ご自身で家庭用蓄電池などの最低限の知識を身につけるようにしましょう。
ぜひ優良な販売・設置業者を見極めて蓄電池を家庭に導入してみてくださいね。

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蓄電池コンシェルジュは、蓄電池を購入しようとお考えの方々に、蓄電池を活かした暮らしをするための上質なコンシェルジュサービスをご提供しております。再生可能エネルギーに理解のある方々にご利用頂くことが「脱炭素社会」実現へのカギとなります。蓄電池コンシェルジュは、文化的、社会的資産を後世に引き継ぎ、社会的責任としての取組みのみならず、日本の人口減少と地球温暖化の危機を救うためのお手伝いをさせて頂いております。

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蓄電池コンシェルジュ代表
根上 幸久

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